タイ・ホンダが2026年5月1日から、コンパクトSUV「Honda HR-V e:HEV」の3グレード全てで価格を1万バーツずつ値上げした。マイナーチェンジを経た新グレード体系の価格は、エントリーグレードの「E」が959,000バーツ、中位グレードの「EL」が1,089,000バーツ、最上位「RS」が1,189,000バーツとなる。タイ国内のハイブリッドSUV市場で日本車勢の中核を担うHR-V e:HEVの値上げで、競合するTOYOTA Yaris CrossやNissan Kicks e-POWERへの価格圧力にも変化が出る見通しだ。
新価格の詳細は3グレードそれぞれで1万バーツの値上げとなる。エントリーの「e:HEV E」は949,000→959,000バーツ、中位の「e:HEV EL」は1,079,000→1,089,000バーツ、最上位「e:HEV RS」は1,179,000→1,189,000バーツに変更された。値上げ幅は1.0〜1.06%程度の微調整で、タイ国内の自動車原材料費・物流費・為替の影響を反映したと考えられる。
HR-V e:HEVはホンダが2024年にタイ市場に投入したコンパクトSUV「Honda e:HEV」シリーズの主力モデルで、燃費性能(リッター25km級)と都市部での走行性、ハッチバック並みの取り回しの良さを兼ね備えている。今回のマイナーチェンジでは内外装デザインの更新と装備の追加が行われた。タイの中産階級世帯(月収5万〜15万バーツ)が「最初のSUV」として選ぶ価格帯にあり、購入者の年齢層は30〜45歳が中心となっている。
タイ自動車市場では2025年から2026年前半にかけて中国系BEV(BYD、GAC、ChanganなどのEV)の攻勢が続いており、日本車勢は価格戦略の見直しを迫られている。Honda HR-V e:HEVの場合、純粋EVではなく自家充電不要のハイブリッドであることから「都市と地方の両方で使える実用性」が支持されており、3キロワット時のバッテリーで電費走行とエンジン走行を切り替える仕組みが日本人駐在員家族にも分かりやすい。
在タイ日本人にとって、Honda HR-V e:HEVは「日本ブランドの安心感」「タイ国内の整備網(130店舗以上)」「中古売却時の値落ち抑制」が選好される理由となる。今回の1万バーツ値上げは契約済みの新車納車には影響せず、5月1日以降の新規発注分から適用される。バンコクのホンダディーラー(パルムプラトゥンチャイ・サミティウェイ・トーン・スワン等)では、5月以降の値引き交渉枠が縮小する可能性があり、5月以前に商談を進めていた層には早めの最終決断が促される展開となりそうだ。