タイのスパマス首相府担当大臣が、米国で大規模リコールが発表された魔法瓶ブランド「サーモス」の2機種について、タイ国内での販売停止を指示した。米国側で発生したのは「ストッパーの爆発」で、食品を長時間入れた後に開けるとフタが勢いよく飛び出し、これまで27人が負傷、3人は永続的に視力を失っている。タイ国内に流通する同型製品の保有者にも警戒が呼びかけられる事態となった。
スパマス大臣がサーモス2機種の販売停止指示、米CPSCリコールを受けて
タイ消費者保護局を所管するスパマス大臣は5月8日、米国消費者製品安全委員会(CPSC)と協力してサーモス社が820万個の自主リコールを発表した動きを受け、タイ国内で販売されている同型2機種について販売停止を指示した。タイで魔法瓶や弁当ジャーは在住外国人や子育て世帯に広く使われているが、米国で深刻な眼の負傷が発生していることから、タイでの被害発生を未然に防ぐ予防的措置となった。
対象は40オンスSportsmanとStainless King食品ジャーシリーズ
米CPSCのリコール対象は3機種で、40オンスのSportsman Food & Beverage Bottle(モデル番号SK3010)、16オンスのStainless King Food Jar(SK3000)、24オンスのStainless King Food Jar(SK3020)が含まれる。タイ国内ではこのうち2機種について大臣が販売停止を求めた形で、対象機種を保有する家庭に対しては使用を控えるよう注意喚起が出されている。CPSC承認の救済策は、SK3000とSK3020には交換用ストッパー、SK3010については上位機種SK3030への交換となっている。
食品長期保存で栓が爆発、27件負傷・3人失明のメカニズム
危険性が指摘されているのは、腐敗しやすい食品や飲料を魔法瓶の中に長時間入れたままにした場合だ。内部で食品が発酵してガスが発生すると容器内圧が上がり、フタを開けた瞬間にストッパーが勢いよく飛び出す。サーモス社には27件の被害報告があり、ストッパーが顔面を直撃して衝撃損傷や裂傷を負った例、医療処置が必要となった例、さらに3件は永続的な視力喪失につながったとされる。発酵食品やジュース、ヨーグルトなどを長時間保管した場合に特にリスクが高い。
在タイ日本人にも影響、家庭の魔法瓶・弁当ジャーを確認すべき
サーモスは日本人駐在員家庭でも子供の弁当ジャーや水筒として広く使われており、日系スーパーや日本帰省時に購入されたものがタイ国内に持ち込まれているケースも多い。今回のリコール対象モデル(SK3010、SK3000、SK3020)が手元にある場合は、当面使用を中止し、サーモス公式サイトの該当ページから返品・交換手続きを進めるのが安全だ。フタを開ける瞬間に顔を近づけて勢いよく回す習慣がある人ほど、ストッパー直撃のリスクが高い点も覚えておきたい。