タイ・ナコンラチャシマー県のジラ駅で5月8日、僧侶の姿で列車に乗り合わせた女性たちに電話番号を配り「会って性的接触を持ちたい」と持ちかけていた男が、県仏教局と警察によって摘発された。男は最後まで「自分は本物の僧侶だ」と主張したが、寺院側の照合で偽僧侶と確定した。郡仏教指導者の判断で立件はされなかったものの、再発時は即逮捕とされる。
コラート・ジラ駅で偽僧侶を摘発、女性に番号配って性的接触求める
ナコンラチャシマー県(コラート)の県都ムアン郡ジラ駅で発生した。県仏教事務局のポンパナ局長はナコンラチャシマー警察署の捜査員と組み、住民から寄せられた苦情をもとに現場へ向かった。苦情の内容は「僧侶の姿をした男が列車内で女性たちに自分の電話番号を渡し、後で会って性的関係を持ちたいと言っている」というものだった。現場で確保された男は、僧衣の上から袈裟をかけたごく普通の出家者の姿だった。
ナコンパノム県の寺院所属と偽装、本物の寺は記録ゼロ
男は「ナコンパノム県の寺院に所属している」と説明したため、県仏教事務局がただちに当該寺院に電話照合した。しかし住職と郡仏教指導者の双方から「そんな名前の僧は所属していないし、滞在歴もない」と返答があった。男が提示した僧侶証明書(スッティ)には「プラ・マノシット・ティッサワロー」という法名が書かれていたが、出家簿にはその名は一切登録されていなかった。これで偽僧侶であることが確定した。
持ち物検査でも違法物なし、郡仏教指導者の哀れみで罪は問わず
警察は男が肩から下げていたヤーム(袋)の中身を確認したが、違法な薬物や凶器は出てこなかった。県仏教事務局はムアン郡4区担当の郡仏教指導者シリアルノパース師を呼び、本人と話し合いの場を設けた。男は当初も「自分は本物の僧侶だ」と粘ったが、寺院側の確認結果を突きつけられて最終的に観念した。郡仏教指導者は哀れみから刑事立件はせず、警察への日次記録だけ残す形にとどめた。ただし、同じ行為を再びおこなえば現行犯で逮捕すると明確に伝えられた。
タイ社会の偽僧侶問題、見分け方と通報先
タイでは僧衣を着た偽僧侶が托鉢を装って金を集めたり、人助けを名目に女性に近づいたりする事案が定期的に表面化する。本物の僧侶は寺院に正式登録され、出家記録と僧侶証明書(スッティ)で身元が裏付けられる。在タイ日本人にとっても、列車内やバスターミナル、観光地で「お布施」「電話番号交換」「個人的な相談」を持ちかけてくる僧侶風の男には警戒したい。怪しい場合は最寄りの警察署か県仏教事務局に通報できる。今回の事案は、県仏教事務局と警察の連携が機能した好例でもある。