タイ南部トラン県ムアン郡コークロー町のトラン空港(Trang Airport)新旅客ターミナルで2026年5月7日午後3時、大雨により大規模な雨漏りと天井崩落事故が発生した。出口2番付近の天井が1階フロアに落ちるなどの被害が出ており、乗客が驚愕する事態に。同ターミナルは2025年9月にオープンしたばかりで、建設予算は10億7,000万バーツ超。国際空港昇格を控えた施設で発生した品質問題は、設計・施工・監理の責任を巡る大きな議論を呼んでいる。
5/7午後3時 大雨でトラン空港新ターミナル雨漏り
事故発生時、トラン県は強い降雨に見舞われていた。トラン空港の新旅客ターミナル内の各所で、屋根の隙間から大量の雨水が天井裏に流れ込み、ロビー・ショップエリアに滝のように雨水が降り注ぐ状況となった。
特に「ルー・ラック・サマケ・パッタルン社会企業」店舗と隣接の土産店周辺では、天井から落ちる雨水が床を一気に覆い、店舗運営は緊急停止状態に。空港利用者の乗客「アルコム・ボーリスート」氏と「アーム・ナラポン」氏らがSNS上に動画を投稿し、瞬く間にSNS拡散・全国話題化した。
出口2番付近の天井が崩落、乗客は驚愕
最も深刻な被害は、ターミナル内出口2番付近で発生した。長時間の雨水浸入により、天井板(プラスター・パネル)が支えきれなくなり、1階フロアに崩落。同所には電気配線がそのまま剥き出しの状態で残り、蛍光灯が通電したまま雨水と接触する危険な状況だった。
空港運営側は安全確保のため事故エリアを直ちに封鎖し、乗客を別ルートに誘導した。雨が小降りになった後、清掃スタッフが約1時間かけて床に溜まった雨水を排除した。乗客の中には不満を強くする者も多く、「新しい空港でこれは何事か」との声が相次いだ。
10.7億B予算+2025年9月開設の新棟、品質問題が浮上
問題の新ターミナルは、2025年9月に正式オープンしたばかりの最新施設。建設予算は10億7,000万バーツ超(約45億円)を投じた大型インフラ。トラン空港の国内・国際線取扱能力を大幅に拡張し、近い将来「国際空港」への正式昇格を目指す中核施設として位置付けられていた。
開設からわずか8ヶ月で大雨に対応できない構造的問題が露呈したことは、設計段階の屋根防水仕様、施工段階の品質管理、検査段階の監理責任の三段階すべてに疑問符が付く。タイのインフラ事業全体への信頼性に影響する事案で、関係省庁(交通省、空港公社AOT、地方自治体)による原因調査と責任追及が予想される。
国際空港昇格予定の中、在タイ日本人と観光客への影響
トラン県は南部の主要観光地で、トラン空港はバンコクとトラン・サムイ・クラビ方面を結ぶ路線のハブの一つ。在タイ日本人駐在員の地方出張、家族旅行、近隣観光地(ピピ島、ランタ島、サムイ島)への乗継ポイントとしても利用される空港。
国際空港昇格を控えていた段階での雨漏り・天井崩落事故は、今後の路線拡大計画にも影響しうる。新棟の防水補修工事が本格化すれば、一部の発着便で運用上の制約が出る可能性がある。乗客の安全と空港運営の継続性の両立に向け、空港管理側の早期対応と透明な情報公開が求められる局面となった。