タイ北部のカムペーンペット県にある電気自動車(EV)用充電ステーションで2026年5月7日午後11時ごろ、EVが充電中に自動的に車両ロックが作動し、1歳6ヶ月の女児が車内に閉じ込められる事案が発生した。母親はGoogle Mapsで近隣の鍵屋を検索して依頼、30分以内に解錠して娘を救出した。SNSに警告として投稿し、EVオーナーへの注意喚起が広がっている。
充電中に車両が自動ロック、深夜の救出劇
母親が娘を車内に乗せたまま、深夜に充電のため近所の充電ステーションを利用していた最中の事故。短時間の充電で席を離れたタイミングで、車両が自動ロックされ、車内の1歳6ヶ月の娘とともに閉じ込め状態になった。深夜の充電ステーションは利用者が少なく、当初は外部から助けを呼ぶ手段が限られた状況だった。
タイのEV車両の多くはスマートキーによるロック・アンロックの仕組みを持ち、充電開始のサインとして自動ロックが入る設計の車種が一定数存在する。鍵を車内に置いたまま降車するシーンで、想定外のタイミングで施錠される事故は近年複数報告されている。
Google Mapsで鍵屋を呼び30分以内に解錠
母親はパニックに陥らず、Google Mapsで近隣の鍵屋を検索し電話で依頼。深夜帯にもかかわらず鍵屋は迅速に駆けつけ、30分以内に車両の解錠に成功した。鍵屋側は報酬を要求せず無償で対応したという。
タイの地方都市では深夜営業の救援サービスは限られるが、Google Mapsの位置情報と評価レビューを使った鍵屋検索が、こうした緊急時に有効に機能した好例となった。母親は救出後、Facebookに事案の経緯と他のEVオーナーへの警告を投稿。「充電時には絶対にキーを車内に残さない」という具体的な指針を共有した。
過去にもチョンブリ県で類似事案、2歳女児を救助
EV充電中の自動ロックによる子供の閉じ込め事案は、過去にもチョンブリ県で発生していた。チョンブリのケースでは2歳の女児が車内に取り残され、解錠まで20分以上を要した。タイ国内のEV普及拡大に伴い、こうした事案の発生頻度は今後増える可能性がある。
タイ警察と安全専門家は、年齢を問わず「子供を車内に1人だけ残す行為は避ける」よう繰り返し呼びかけている。EV特有の自動ロック機能はメーカー・車種ごとに挙動が異なるため、所有車両の取扱説明書での挙動確認も必要となる。
EVオーナーが取るべき具体的予防策
今回の事案を踏まえ、EVオーナーが取り得る予防策は複数ある。第一に、充電中に車両を離れる場合はキーを必ず携行する。第二に、子供を含む同乗者を車内に残したまま離れない。第三に、車両の自動ロック機能の設定を事前に確認し、無効化できる機種では充電中の自動ロックをオフにする。
タイのEV市場は中国系BYD、米国系Tesla、韓国系現代/起亜などのモデルが急速に普及中。在タイ日本人駐在員の家庭でもEV購入を検討するケースが増えており、充電インフラ利用時の安全運用は新たな関心事となる。家族で長距離移動する際の充電休憩のオペレーションを家庭内で確認しておくことが、こうした事故を未然に防ぐ第一歩となる。