スリランカの首都コロンボ近郊のバンダラナイケ国際空港で4月26日、タイから帰国した僧侶22人が大麻110キロ(242ポンド)を密輸しようとして逮捕された。スーツケースの偽底に1人約5キロずつ隠していた構図で、空港史上最大の薬物押収量となった。22人は19〜28歳の若手スリランカ人僧侶で、バンコクで4日間の「休暇」を過ごした後の帰路だった。
スリランカ警察によると、当局は事前情報を基にバンダラナイケ空港でタイ便を待ち構えていた。22人は4日間のバンコク滞在を終えて帰国便で到着、検査でスーツケース全数から強力な大麻種「クッシュ(Kush)」が見つかった。各人約5キロ、合計110キロで、推定市場価格は11億ルピー(=約500万ドル)に上る。
逮捕された22人は19〜28歳の若手僧侶。出身地はアンパラ、ホラナ、ボラレスガムワ、ワッドゥワ、ワラカポラ、ピリヤンダラ、ホマガマ、アトラリヤ、アンバランゴダ、ウディスパットゥワ、マダパサ、バランゴダなどスリランカ各地に散らばる。当局は組織化された運び屋ネットワークの可能性を視野に、主犯格と見られる僧侶も別途特定した。
今回の押収は、バンダラナイケ空港の薬物押収史上最大。僧侶が大量薬物押収の容疑者として現れたのも同空港では初めてで、スリランカ社会に衝撃が広がっている。ネゴンボ簡易裁判所は5月2日まで22人全員の拘留を命じた。今後の取り調べで、運び屋ネットワークの主導者と国際的な販売網の解明が焦点となる。
タイは2022年に医療・産業用大麻を合法化し、観光客でも入手しやすい環境となった。一部地域では「大麻ツーリズム」として外国人観光客が来る現象もあり、政府は段階的に規制を強化している。今回の事件は、タイの大麻流通が国際的な密輸ルートに利用される構図を改めて浮き彫りにしている。在タイ日本人にとっても、観光客の友人・取引先がタイ滞在中に大麻関連で巻き込まれるリスクは留意点となる。
スリランカ警察と税関は、僧侶22人の入手経路と組織背景を徹底調査する方針。スリランカ法では大麻密輸は最高で死刑も視野に入る重罪で、僧侶という社会的立場を背負ったままの拘留は仏教界にも波紋を呼んでいる。タイ警察との捜査連携が今後本格化する見通しで、タイ側でも大麻供給ルートの特定に動く可能性がある。