タイエアアジア(AAV)とタイエアアジアX(TAAX)が、2026年夏期スケジュールで合計7路線の一時運休を発表した。中東情勢の緊張で航空燃料価格が1バレル140ドルを超え、運航コストの約30%を占める燃料費が膨らんだことが直接の原因である。香港〜沖縄やプーケット〜高知といった日本路線2本も対象に含まれ、最長で10月24日まで停止する。
ジェット燃料(Jet A-1)はこれまで1バレル80ドル前後で推移していたが、中東情勢の悪化で140ドル超に急騰した。LCCのコスト構造では燃料費が運航費の約3割を占めるため、原価が一気に5〜6割上がったことになる。タイエアアジアは採算の悪い路線から順に運航を止めて損失を抑える判断に出た。
運休となる7路線は次の通りである。
| 路線 | 便名 | 運休期間 |
|---|---|---|
| スワンナプーム〜ナラティワート | FD4252/4253 | 4月21日〜10月24日 |
| プーケット〜チェンマイ | FD192/193 | 4月13日〜10月24日 |
| ドンムアン〜西安 | FD588/589 | 5月11日〜10月23日 |
| 香港〜沖縄 | FD518/519 | 5月7日〜10月24日 |
| プーケット〜高知 | FD196/197 | 4月17日〜10月23日 |
| ドンムアン〜上海 | XJ760/761 | 4月17日〜10月24日 |
| ドンムアン〜リヤド | XJ920/921 | 4月14日〜5月30日 |
注目したいのは日本路線が2本含まれている点だ。香港〜沖縄線(FD518/519)は5月7日から10月24日まで、プーケット〜高知線(FD196/197)は4月17日から10月23日までいずれも約半年間止まる。地方空港同士を結ぶ需要薄めの路線が真っ先に切られた格好で、沖縄や高知から第三国経由でタイへ向かう旅行者の選択肢は確実に狭くなる。
国内線ではプーケット〜チェンマイ線の運休が痛い。ソンクラーン連休直後から半年以上、タイ南北を結ぶ人気路線が使えなくなる。乗り継ぎでバンコク経由を強いられる利用者が増え、所要時間と運賃の両面で負担が上がる。深南部のナラティワート線も止まり、地方の足が一段細る。
中国路線は西安と上海の2本が対象で、いずれも10月下旬まで運休となる。タイ政府が中国人観光客の呼び戻しに躍起になっている時期に、座席供給そのものが減ることになる。中東のリヤド線も止まるが、こちらは5月30日までと比較的短い。
日本〜タイの直行便を使う読者にとっては、5月以降の旅行計画を組み直す必要がある。日系フルサービスはJALが片道29,600円、ANAが29,000円と燃油サーチャージを倍増近くまで引き上げて対応。日系LCCのZIPAIRとPeachは公式にサーチャージ不徴収を維持しており、価格面で相対的に有利になる。詳しくは日本-タイ線5月の8社対応まとめに整理した。
業界全体の動きとしては、ジェット燃料が3倍に高騰したLCC3社の運休発表、タイ航空5月の大幅減便(国際線46便調整)、燃料危機で観光庁が入国者9%減を予測と続報が相次いでいる。航空券そのものを切る動きと、価格でこなす動きの二極化が鮮明になってきた。
利用予定者は早めの便変更通知の確認と、代替便の予約を進めたい。中東情勢が落ち着くまで燃料高は続く見通しで、運休が秋以降に延長されるシナリオも視野に入る。





