代々木公園で開催された第26回Thai Festival Tokyo 2026で、タイの伝統的なオレンジ色の「タイ茶(チャー・トラムー/ChaTraMue)」が日本人観光客に大ヒットし、ブース前で30-40分の行列ができる人気となった。日本のSNSにはタイ茶を求めて並ぶ参加者の写真と感想が溢れ、タイのソフトパワー戦略「Thai Pop Culture Move」の効果が東京でも確認された格好だ。
東京・代々木公園で5月8-11日に開催されたThai Festival Tokyo 2026は、タイ国政府観光庁(TAT)とタイ外務省が「Team Thailand」名義で連携し、「Amazing Thailand: Thai Pop Culture Move」をテーマに大型ブースを展開した。会場内の人気ブース「ChaTraMue(チャー・トラムー)」では、伝統的なタイ茶(甘い練乳と濃いタイ紅茶のブレンド)を提供。日本人来場者が30-40分の長蛇の列を作る場面が、SNSで広く共有された。
「チャー・トラムー(ชาตรามือ)」は、タイ国内で最も知られたタイ茶ブランドの一つで、バンコク・チャイナタウンの店舗が本店として有名。日本でもバンコク観光経験者を中心に「あのオレンジ色の甘いタイ茶」として知られており、今回のフェスティバルで生のチャー・トラムーを楽しめる機会を求めた来場者が殺到した形だ。
日本人来場者のSNS投稿には「30分以上並んだけど価値あり」「タイのこの味を東京で体験できるなんて」「次はタイ料理も食べたい」など、タイ文化全般への興味を示すコメントが目立った。タイ茶の人気は、単なる飲料体験を超えて、タイ観光・タイ料理・タイ文化への入口として機能している。
タイ政府のソフトパワー戦略との符合も大きい。タイ国政府観光庁(TAT)は2026年に日本人観光客120万人の訪タイ達成を目標化しており、東京での文化発信は「日本人がタイを体験→タイに行く」誘導の核となる。代々木公園のフェスティバルは3日間で30万人規模の来場者を集めており、タイ茶ブースの行列がSNSで拡散することは目標達成の追い風となる。
タイ茶(チャー・イェン/ชาเย็น/Cha Yen)の特徴は、(1)強めに蒸らした紅茶の濃い茶葉、(2)コンデンスミルク・エバミルクの濃厚な甘さ、(3)特有のオレンジ色(食用色素由来)、(4)氷で冷やしたグラスでの提供、の4点。タイの屋台・カフェ・コンビニで日常的に飲まれる「国民的飲料」で、観光客にとっては「タイらしさを最も体感できる飲み物」のひとつとして根強い人気がある。
タイ在住の日本人駐在員にとっては、日本でのタイ文化人気の高まりは、家族・友人がタイに来訪する際の「タイ料理・タイ茶体験」の重要性を示す指標となる。バンコク・チェンマイ・プーケットなどの観光地でChaTraMue直営店舗を巡る、屋台のチャー・イェンを試す、ホテルのウェルカムドリンクとしてタイ茶を選ぶなど、来訪者向けの「タイ茶体験プラン」を準備しておくと喜ばれる。