タイにドローンを持ち込んで撮影したい旅行者・在住者にとって、2026年は規制が大幅に強化された年となった。NBTC(国家放送通信委員会)とCAAT(タイ民間航空局)の両機関での登録が必須で、保険加入義務、入国後30日以内の登録期限などの要件を満たさなければならない。違反すれば罰金10万バーツ(約49万円)または5年以下の懲役、もしくはその両方が科される。観光・SNS撮影目的での「ちょっとだけ」使用も全く例外なし。事前準備が必須となる。
最新の規制では、ドローン使用者は2機関に必ず登録する必要がある。1つ目はNBTC(国家放送通信委員会、กสทช.)で、ドローン操縦者本人とドローンのリモコンが使用する電波周波数の登録。タイ入国後(または国内でドローンを購入後)30日以内に登録を完了させる義務がある。実際にドローンを飛ばさない場合でも登録は必須だ。NBTC登録費用は500バーツ程度。
2つ目はCAAT(タイ民間航空局)で、ドローン機体本体と操縦者の認証。CAATの「UAS Portal」(uasportal.caat.or.th)で必要な「ドローン・パイロット・サーティフィケート」を取得する。CAATは航空安全と国家安全保障の観点から、ドローンの飛行ルール(飛行禁止区域、最大高度、夜間飛行制限など)も管理しているため、登録だけでなくルール理解も必要となる。
保険加入も義務化された。タイで操縦するドローンは、最低100万バーツ(約490万円)の対人・対物責任保険に加入する必要がある。保険料は機体・補償内容によって変動するが、年間3,000-5,000バーツが目安。海外旅行保険のドローン特約は対応していないケースが多く、タイ国内の保険会社で個別に加入することになる。
特に注意すべきは、登録のタイミングだ。「ドローンを持ち込む前」にタイで登録することはできない。なぜならば、登録時にビザ入国スタンプとタイの電話番号が必要となるため、必ず入国後の手続きとなる。観光客の場合、入国手続き→ホテルチェックイン→電話番号取得(プリペイドSIM)→登録手続き、という流れで進める必要があり、観光初日は撮影できないケースが大半だ。所要日数は3-5日程度の余裕を見ておきたい。
タイ政府は2026年、ドローン規制の取り締まりを大幅に強化した。プーケット・チェンマイ・サムイなどの観光地ではCAAT・観光警察による抜き打ち検問が増加。違反者には現場で機体を没収し、罰金10万バーツまたは懲役5年もしくは両方を科す。SNS用の動画素材撮影など「軽い気持ち」での飛行も例外なく適用される。
同時期にタイ政府は外国人観光客の不品行に対する取り締まりを強化しており、5月10日にもパッタヤ・カマラのカフェでインド人観光客5人が集団失神し1人死亡するなど、観光地ガバナンスの引き締めが続く流れにある。ドローン規制強化もその一環として位置づけられる。
タイ在住の日本人駐在員家族・観光客向けの実用的アドバイス:(1)持ち込み予定があれば、出発前に必要書類(パスポートコピー、ビザ、航空券)を準備しておく、(2)入国後すぐにプリペイドSIM・電話番号を取得、(3)NBTC・CAATの公式サイトで最新フォームを確認、(4)保険会社(Bangkok Insurance、AXAなど)の窓口で対人責任保険に加入、(5)登録完了まではドローンを開封せず保管。これらを守れば、罰金・没収・刑事手続きのリスクを完全に回避できる。