タイ中部サラブリ県ムアクレック郡ムアクレック区の滝のほとりにある有名レストランで5月10日午後12時半、大雨と突風の中で大型の木の枝が折れて落下し、家族と職場仲間13人で休日レジャー中の40歳女性が頭部と胴体を直撃され死亡した。被害者はサムットプラカン県プラプラデーン郡から来訪中で、子供を含む家族と職場仲間で休日を楽しんでいた最中の悲劇。タイの夏季嵐に伴う「木の下避難」のリスクが、悲しい形で再確認される事案となった。
事案を担当したムアクレック警察署によると、5月10日12時半、ムアクレック区のレストラン前で「夏季嵐に伴う木の倒木被害」の通報を受けた。現場は滝のほとりに位置する人気レストランで、家族客が多く食事中の時間帯だった。突然の大雨と突風で、レストランの近くに立つ大きな樹木の枝が折れて落下、滝沿いの席で食事中の女性客に直撃した。
被害者は40歳の女性で、サムットプラカン県プラプラデーン郡から子供と職場仲間13人で観光に訪れていた。頭部と胴体に重大な外傷を負い、すぐにムアクレック病院に救急搬送されたが、傷の重さから救命できず死亡が確認された。レストランは事故後、当該エリアを閉鎖して警察捜査に協力している。
タイの5月は夏季嵐(パーユー・ルードゥー・ロン)が頻発する季節で、特に午後の急変するスコール・突風が観光地で人命被害を引き起こすパターンが定着している。同日、タイ気象局TMDは北部・東北部・南部の不安定気象を警告していた。山岳地帯の観光地に位置するムアクレックは滝・キャンプ場・リゾートが集中するエリアで、強風時の樹木倒壊が観光客被害につながりやすい。
同時期にロップリ県でも夏季嵐で高圧電柱が70本以上倒れ、家屋100軒以上が損壊する被害が報じられている。ペッチャブーン県で2日連続夏季嵐、メーホンソン県108号でメーラールアン橋が流失するなど、タイ全国で気象由来の事故が連続して報じられている。
警察と気象局は、強風・大雨・雷雨の予報が出ている時間帯は「大型樹木の下での休憩・駐車を避ける」「屋外のオープンレストラン・カフェでは天候急変時に屋内へ移動」「キャンプ・トレッキングは出発前に気象予報を必ず確認」の3点を呼びかけている。今回の事案は、休日のリラックスした時間に予期せぬ自然災害が突然襲いかかる典型例として、安全意識の重要性を再認識させる。
タイ在住の日本人駐在員家族にとって、ムアクレックは「バンコクから1.5時間で行ける山岳避暑地」として人気のドライブ目的地だ。週末に家族で訪れる機会が多いエリアだが、5月の不安定気象期は注意が必要。屋外レストランで食事する際は、強風予報が出ている日は窓側・テラス席・大型樹木の近くを避ける、天候急変時には速やかに屋内へ移動する、子供の動線を保護者の目の届く範囲に置く、などの基本配慮が事故予防につながる。