タイ航空の大幅減便は始まりに過ぎなかった。燃料危機がタイの航空業界全体を覆い、バンコクエアウェイズ、エアアジア、タイ・ライオンエア、ノックエアが軒並み路線の縮小や運賃の値上げに踏み切っている。
バンコクエアウェイズは4月1日から国内線の運賃を15〜20%引き上げた。燃料費が約20%増加したためだ。タイ・ライオンエアはドンムアン-ソウル線を5月9日から9月末まで運休すると発表。ノックエアもチェンマイ-ウドンタニ線を4月に休止した。エアアジアは4月から10月にかけて複数路線の運休を決めている。
ジェット燃料の価格は異常な水準に達している。欧州の指標価格は1トンあたり1,838ドルで、中東紛争前の831ドルから2倍以上に膨らんだ。バレルあたりでは170〜180ドルに跳ね上がっており、航空各社がヘッジしていた80〜90ドルの水準とは別世界である。
観光への打撃も数字に表れ始めた。タイ観光庁は第2四半期の外国人入国者数が前年比で約9.4%減少すると予測している。2月末の中東紛争開始以降、予約が落ち込んでおり、特に欧州からの長距離旅行者が減少。代わりに近隣国からの短期・低支出の旅行者にシフトしつつある。
国際エネルギー機関(IEA)は欧州のジェット燃料残量が6週間分しかないと警告しており、欧州はジェット燃料の75%を中東からの輸入に頼っている。紛争が長引けば、タイへの欧州便はさらに削減される見通しだ。



