タイ国鉄(SRT/การรถไฟแห่งประเทศไทย)が5月15日、急行列車173号・174号「バンコクアピワット中央駅⇔ナコンシータマラート駅」便を新規開通させる。タイ南部観光のアクセス強化を狙う施策で、予約は5月12日午前8時30分から全駅窓口とオンラインで開始。バンコク発は20時10分、ナコンシータマラート着は翌朝10時20分(所要約14時間)、復路は16時30分発・06時45分着の夜行便構成。連休・祝祭日の混雑緩和と南部観光振興が目的で、タイ国鉄1690カスタマーサービスとttsview.railway.co.th/v3でリアルタイムトラッキングも対応する。
新規開通スケジュールは次の通り。
| 便 | 出発 | 出発時刻 | 到着 | 到着時刻 |
|---|
| 173号(往路) | バンコクアピワット中央駅 | 20:10 | ナコンシータマラート駅 | 翌朝10:20 |
| 174号(復路) | ナコンシータマラート駅 | 16:30 | バンコクアピワット中央駅 | 翌朝06:45 |
夜行便として設定されているのが特徴で、(A)バンコクで仕事終わり夜に乗車→翌朝南部到着、(B)南部観光夕方終了→翌朝バンコク帰着、というワークライフバランス重視の運用となる。所要時間は約14時間と長いが、ホテル代節約効果+夜間移動の効率化で、(i)若年層の旅行者、(ii)コスト重視の家族旅行、(iii)地方間の人口移動、を取り込む。
予約システムの詳細は次の通り。
- 予約開始:2026年5月12日午前8時30分
- 予約方法:全国の鉄道駅窓口、または公式オンライン予約
- リアルタイムトラッキング:ttsview.railway.co.th/v3
- カスタマーサービス:1690(24時間対応)
南部観光促進という政策的狙いも明確だ。タイ国鉄の声明では、「バンコクと南部主要県の輸送能力向上、連休・祝祭日の混雑緩和、旅行計画の柔軟性向上」を挙げる。ナコンシータマラートはタイ南部の中核都市で、(1)バンドン国立公園、(2)スイカ岩、(3)プラタートシナノラットアラータ仏教寺院、など観光資源が豊富。これまでは飛行機・長距離バス・自家用車での移動が主流だったが、急行列車という選択肢の追加で旅行者の自由度が増す。
タイの鉄道網は近年大きく投資が進んでいる。SRTは(A)バンコク・チェンマイ間の高速鉄道計画、(B)バンコク・ノンカイ間(中国南方への接続)、(C)首都圏3空港接続鉄道、など複数の大型プロジェクトを推進中。今回のバンコク-ナコンシータマラート急行も、その南部展開の一環として位置付けられる。
タイ国鉄の運賃体系は階層化されている。エコノミー席(3等)・2等寝台・1等寝台・特等寝台と複数オプションがあり、(i)3等:500バーツ前後、(ii)2等寝台:800-1,200バーツ、(iii)1等寝台:1,500-2,500バーツ、と予算に応じて選択可能。家族旅行で1等寝台を選んでも、4人で1万バーツ以下に収まる計算となる。
タイ在住の日本人駐在員家族にとっては、新たな南部旅行手段として注目される。(1)ソンクラン・新年などの長期休暇でナコンシータマラート観光に行く家族、(2)コ・サムイ経由でフルムーンパーティーに向かう若年層、(3)スラタニ・タカウォン(コ・サムイ・コ・パンガン経由)への中継地として利用、などの活用シナリオがある。航空券高騰の中での代替手段として、長距離夜行列車は予算管理と時間効率の両方を兼ね備える選択肢となる。1等寝台は事前予約必須で、5月12日朝の予約開始タイミングを逃さないことが推奨される。