タイ・パトゥムタニ県タンヤブリ郡プラチャティパット町、ランシット-ナコンナーヨック運河沿いのクロンヌン地区にある有名エンタメ施設(パブ)で2026年5月7日、火災が発生し内部が全焼した。午前4時50分頃の初発火を一旦消し止めた後、午前9時30分頃に2階天井裏で再燃が確認され、ランシット市消防隊が5台体制で再度消火にあたった。
5/7朝の初発火と消防出動、5時に一旦鎮火
最初の火災は午前4時50分頃に発生した。通報を受けたランシット市消防隊と地元警察(プラトゥナム・チュラロンコーン警察分署)は午前5時頃に現場に到着し、消火活動を開始した。短時間で火勢が収まり、一旦は鎮火状態となった。
ランシット地区のクロンヌン界隈は、パトゥムタニ県南部のエンタメエリアの一角で、深夜まで営業する店舗が密集する。火災は店舗の通常営業が終わった早朝の時間帯に発生しており、客の在店リスクは低い時間だった点が不幸中の幸いとなった。
9時半の再燃と2階天井裏のフォーム材問題
問題は午前9時30分頃に再燃が確認されたことにある。建物の2階天井裏で再び火が立ち上り、煙が大量に噴出。再度の通報を受けたランシット市消防隊は5台の消防車を動員して現場に駆けつけ、放水を続行した。
消防隊長の判断で、放水は天井板を貫通させる形で実施。背景には、店舗が音漏れ対策のために天井に防音用フォーム材を充填していた事実があり、フォーム材の中で燻り続けた火種が再発火源となった可能性が高い。防音フォームは可燃性が高く、内部に酸素が入った瞬間に再燃するリスクが高い素材として知られている。
内部全焼、市当局が建物構造確認を実施
最終的に火勢は鎮火されたが、建物内部はパブの設備・装飾を含めて全焼。営業は当面不可能な状態となっている。シャイユット・シンプンパッキ副ランシット市長とチャムラット・チュースック市議が現場を確認し、市技術者による建物構造の安全性検査を指示した。
火災後の建物では、2階以上の床構造の損傷、配電設備の発火源としての適否、天井裏フォーム材の追加発火リスクなど、多角的な検査が必要となる。所有者・運営者は再開営業までに大規模な内装工事と設備更新を要求される可能性が高い。
ランシットの夜景娯楽エリアと火災リスク
ランシット地区はバンコク郊外の重要なエンタメ・ナイトライフエリアで、大学(ランシット大学、トムマサート大学ランシットキャンパス)の近隣にあるため学生・若者向けの店舗が集積する。深夜営業のパブ・カラオケ・ナイトクラブが密集しており、内装に防音フォーム材を多用する店舗構造が一般的。
タイの飲食店・エンタメ施設の火災は、防音材・装飾材の可燃性、避難経路の不備、消火設備の点検不徹底が複合する形で発生する事例が散発する。バンコク・パトゥムタニ・チョンブリ等の都市部では、定期的な消防点検と非常口表示の更新が運営者の責務として求められている。在タイ日本人がパブやナイトクラブを利用する際は、入店時に非常口の位置を確認しておく一手間が、緊急時の生存率を大きく上げる。