タイの24歳の建設労働者シングルマザーが、生後5か月の自分の赤ちゃんをベビーシッターにすり替えられたとしてパーウィーナー財団に助けを求めている。1年以上後に「自分が本当の母親」と名乗る別の女性が現れ、DNA鑑定で赤ちゃんの入れ替わりが確定した。実子はまだ行方不明のままだ。
24歳のシングルマザー「Joy」、生後5か月の赤ちゃんがすり替えられた
母親のJoyさん(24)は建設現場で働きながら一人で子育てをしていた。子は2022年10月6日生まれで、生後数か月のころに月8,000バーツで雇ったベビーシッターのSomに預けていた。問題が起きたのは2023年3月、生後約5か月のころで、戻ってきた赤ちゃんはJoyの記憶にある我が子と容貌や肌の色が微妙に違っていたという。家族も違和感を感じていたが、確証が持てず約1年が経った。
「ミャンマー人隣人ワンに預けて病院へ行った」と弁明、シッターSomの不審な経緯
Joyの証言によると、ベビーシッターのSomはJoyに対し「ある夫婦が2万バーツで養子にしたいと言ってきた」と申し出ていた時期があった。Joyはこの提案をきっぱり断った。その後Somは「自分が病院に行く必要があったので、ミャンマー人隣人のワンという女性に赤ちゃんを預けた」と説明していたという。Somに連絡を取ろうとすると、ある時期から音信不通になり、Joyは警察に告訴することを決断した。
2024年「私が本当の母親」と名乗る女性が登場、DNA鑑定で入れ替わりが確定
決定的な証拠が出たのは2024年3月だった。Annと名乗る別の女性がJoyに連絡し「自分こそが生物学的な母親で、赤ちゃんの写真もある」と訴えた。Annが提供した写真をきっかけに親子鑑定がおこなわれ、Joyが育てていた子はJoyの実子ではないとDNAで確定した。容貌の違和感はその子が別の母親の子だったことを示していた。Annが手元に持っていた赤ちゃんがJoyの実子であるかも合わせて検証され、すり替えの構図が浮かび上がった。
営利目的の児童連れ去り容疑で送致、実子は依然行方不明
警察はSomを「15歳未満の児童を親または保護者から営利目的で連れ去った」容疑で送致し、パーウィーナー財団が警察との連携を進めている。しかし数か月の捜索でも、Joyの実子の行方は判明していない。タイでは育児を巡って身元不明のベビーシッターに依存する低所得世帯が一定数存在し、紹介経路も口コミに頼ることが多い。在タイ日本人駐在員家庭でも、メイドや乳幼児の世話を住み込みヘルパーに頼ることがあるが、紹介ルート、身分証コピー、緊急連絡先、契約書面など最低限のチェックは欠かせない。