タイの自動車情報サイトAutolife Thailandがまとめた2026年4月のECO/Bセグメント・ハッチバック販売で、ホンダ・シティ・ハッチバックが1,144台を売り上げ、単独首位に立った。セグメント全体は4,700台で、電気自動車(BEV)が2,865台と61.0%を占め、ガソリンとハイブリッド(ICE/HEV)の1,835台、39.0%を上回った。クラスの6割がEVになりながら、ガソリンとハイブリッドで戦う日本車1台が、十数車種の中国EVを抑えて単独トップを守る構図である。
ホンダ・シティが1台で群を抜く
4月のホンダ・シティ・ハッチバックの1,144台は、2位以下を大きく引き離す数字である。ガソリンとハイブリッド勢では、トヨタ・ヤリスが284台、スズキ・スイフトが135台、MG3が102台、マツダ2ハッチバックが97台、三菱ミラージュが69台と続いた。シティ1台でガソリンとハイブリッド全体(1,835台)の6割を占める計算になり、このクラスの実用車としての強さが際立つ。
ホンダ・シティ・ハッチバックは、1.0リッターターボのガソリン車と、e:HEVと呼ぶハイブリッドを用意する。タイでの価格は599,000バーツ(約293万円)から829,000バーツ(約405万円)、ハイブリッドのe:HEVは729,000バーツ(約356万円)からで、EVより単価を抑えた価格帯で支持を集めてきた。年間集計でも2024年が66,031台、2025年が31,141台と、連続でこのセグメントの首位を獲得してきた定番モデルである。
セグメントの61%はEV、ただし中国勢に分散
一方で、クラス全体ではEVがすでに多数派である。4月のBEVは2,865台と全体の61.0%を占めた。ただしその内訳は、MG4エレクトリックが857台、ジーリーEX2が805台、BYDドルフィンが510台、GACアイオンUTが481台、長安ルミンが149台と、すべて中国系ブランドに細かく分かれている。各モデル単体では1,144台のシティに届かず、合計ではEVが上回るのに、単独の王者はガソリン車という状態が生まれている。
EV内の勢力図も入れ替わりが激しい。2026年1月にはBYDドルフィンが5,892台と突出していたが、その後は2月15台、3月143台、4月510台と急減し、代わってMG4エレクトリックやジーリーEX2が上位に立った。補助金を当て込んで一気に売れた反動が、特定モデルの販売に表れている。
EV補助金の縮小が市場の節目に
タイでEVが急拡大した背景には、政府の購入補助策があった。前身のEV3.0では1台あたり最大15万バーツが支給されたが、後継のEV3.5では最大10万バーツに縮小され、2026年から2027年にかけてさらに引き下げられる計画である。輸入バッテリーセルを現地調達分に算入できる比率も、2026年1月から15%が10%へと引き下げられた。補助の縮小を受けて中国系メーカーは2026年に入って一部車種を値上げしており、補助金に支えられてきたEV需要に変化が出始めている。
ホンダはこの局面で攻勢をかける。2026年5月にはタイ向けのシティとシティ・ハッチバックの改良版を公開し、6月30日まで先行予約を受け付けたうえで、7月1日に正式な価格を発表する予定としている。EVが過半を占めるようになった小型ハッチバックで、ガソリンとハイブリッドの定番がどこまで首位を守れるかが、次の焦点になる。