タイの特別事件委員会(กคพ.)は、中東危機に乗じた石油買い占め組織に対する捜査を「特別事件」として扱うことを決議した。これにより特別捜査局(DSI)が正式に捜査権限を得て、本格的な摘発に乗り出す。
特別事件への格上げは、通常の警察捜査では対応しきれない大規模な組織犯罪に適用される措置である。ホルムズ海峡の緊張に端を発した燃料価格の高騰が続くなか、一部の業者が意図的に石油を市場に流さず価格操作を行っている疑いが浮上していた。先日には石油タンクローリー1万1千台が「配送せずに買い占め」を行っているとして法務大臣が告発しており、今回の決定はその延長線上にある。
タイでは現在、ディーゼル価格が1リットル50バーツを突破し、南部の漁業や物流が深刻な打撃を受けている。チャイナート県ではバイクタクシーの9割が営業を停止するなど、市民生活への影響は日増しに拡大している状況だ。
DSIはすでに関連捜査を進めており、海上での石油5700万リットル「消失」事件や不審な洋上移送99航海の調査にも着手済みである。特別事件への格上げにより、DSIは銀行口座の凍結や関係者の出国禁止命令など、より強力な捜査手段を行使できるようになる。
政府はエネルギー危機への対応を最優先課題に位置づけており、精製マージンの大幅引き下げや石油基金による補填と並行して、不正行為への取り締まり強化を進めている。買い占め行為が立証されれば、関係者には厳しい刑事罰が科される見通しである。
