法務大臣のルッタポン・ナワラット氏が、海上で行方不明になった石油5,700万リットルの追跡をDSI(特別捜査局)に指示した。「正午までに船名と航路の情報を出せ」と期限を切り、船舶を所有する企業にも説明を求めている。
問題の石油は、洋上で船から船へ直接移し替える「シップ・トゥー・シップ」方式で移送された後、行き先が分からなくなった。5,700万リットルはドラム缶約28万5,000本分に相当し、タイ国内の1日の石油消費量に匹敵する規模である。
法務大臣は、大手石油貯蔵会社への追加調査も近日中に行う方針を示した。船舶会社に対しては「海上で消えた石油と無関係であることを証明せよ」と強い姿勢で臨んでいる。
燃料の不正流通を巡っては、ソンクラー国境で10万Lの闇石油が地下タンクから発見されたほか、スラタニーの石油備蓄疑惑で商務局が刑事告訴に踏み切るなど、全国で摘発が相次いでいる。海軍も艦隊を増強して海上封鎖に乗り出した。
しかし今回の5,700万リットルは桁違いの規模である。国内でディーゼルが50バーツを超え、ガソリンスタンドの夜間営業停止まで検討されている最中に、これだけの量の石油が海上から「消えた」事実は、燃料危機の裏に組織的な不正がある可能性を強く示唆している。



