タイ海軍が燃料密輸の取り締まりを一段階引き上げた。海軍司令官が4月6日、第1艦隊と第2艦隊に対し、艦船・航空機・探知システムの増強を命じた。海軍報道官のパラッチ・ラッタナチャイパン少将が発表した。
命令の内容は明確だ。リスクの高い海域と海上国境エリアで、哨戒の頻度と範囲を大幅に拡大する。監視・抑止・阻止の3段階を徹底し、関連する海洋安全保障機関との情報共有や合同捜査も強化する方針である。
背景には、燃料の海外流出が国内の供給不足を招いている実態がある。5,700万リットルもの燃料がスラタニー向け輸送中に消失し、首相がカンボジアへの密輸問題で緊急会議を開くなど、事態は政治問題化している。
これまで海軍はタンカー20件の不審な航行パターンを特定し、遅延・洋上移送・経路変更の3手口を公表していた。今回の増強命令は、監視段階から実力行使の段階に移ったことを意味する。
海軍は「国民の海洋権益を全力で守る」と表明し、不審な動きを見つけた場合の通報も呼びかけている。ディーゼル価格が50バーツを超え、漁船や物流トラックが動けない状況が続くなか、密輸ルートの遮断が燃料危機の解決に直結するかが問われている。