アヌティン首相が4月3日、タイからカンボジアへの燃料密輸問題について、エネルギー省や安全保障関連の省庁を首相府に召集し緊急会議を開いた。中東情勢の監視を行う「中東地域戦闘状況管理追跡センター」の会議に先立つ形で開催された。
会議にはエクナット・プロンパン・エネルギー相、ルッタポン・ナオワラット法務相、DSI(特別捜査局)のユッタナー長官に加え、タイ海軍参謀長のターダーウット提督が出席した。ターダーウット提督は記者団に対し「すべての船舶を追跡しており、違法行為があれば全船を取り締まる」と明言した。
先週、タイ政府がカンボジアへの石油輸出を禁止する方針を発表して以降、海上での密輸が表面化している。DSIがスラタニーで巨大石油備蓄施設を摘発し、法務・国防省が南部の石油倉庫11か所を急襲するなど、陸上の取り締まりは進んでいるが、海上ルートが新たな抜け穴として浮上している。
ターダーウット提督は「密輸が増えているか」との質問に「通常通り(密輸は)ある。違法行為には通常通り対処する」と答えた。国内で深刻な燃料不足が起きている最中に「通常通り」という言葉が出たことは、密輸が構造的な問題であることを示唆している。
首相が自ら省庁横断の会議を召集したことで、燃料密輸が「治安問題」として格上げされた形だ。国内ではディーゼルが47.74バーツに達し、地方のスタンドでは品切れが頻発している。不足分がカンボジアに流れているとすれば、国民の怒りはさらに高まるだろう。

