カンボジアのTikTokユーザーが海上でタンカー間の燃料移送を撮影した動画が波紋を広げている。映像に映ったタンカーの一隻にタイの国旗が掲げられていたことから、タイ海軍が捜査に乗り出した。
動画にはカンボジア沖の海域で2隻の船が接舷し、燃料を移し替える様子が記録されていた。カンボジア人の投稿者は「燃料が安価で販売されていた」と主張している。問題の燃料はグリーンディーゼルとみられる。タイ国内で認可を受けた漁船向けに特別価格で販売される軽油である。
タイでは燃料危機を背景にディーゼル価格が急騰しており、漁船向けグリーンディーゼルの価格は約20バーツ/リットルから40.80〜48.40バーツ/リットルにまで跳ね上がった。国内価格との差が大きいほど密輸の動機が強まる構図である。
タイ海軍のパラット・ラッタナチャイヤパン報道官は捜査中であることを認め、「燃料密輸に関与した者は処罰される」と述べた。動画はタイのFacebookユーザーが「この取引は合法なのか」と疑問を投げかける形で転載し、一気に拡散した。
タイ政府は南部の石油倉庫11か所を急襲するなど、国内の燃料不正流通への取締りを強化している。今回のTikTok動画は、陸上だけでなく海上にも密輸ルートが存在する可能性を示しており、燃料危機の裏側にある構造的な問題を浮き彫りにしている。

