カンボジア人のTikTokユーザーが2026年3月31日、タイ国旗を掲げた石油タンカーから燃料を購入する動画を投稿した。タイ海軍は動画の内容を受けて捜査を開始した。燃料危機の中で貴重なディーゼルを海上で横流しする違法行為の疑いだ。
問題の動画
カンボジア人TikTokユーザーが投稿した動画には、湾上に停泊したタイ国旗のタンカーから燃料を購入する場面が映っていた。投稿者はタンカーのスタッフと話しながら、購入代金を払い、燃料を受け取る様子が収められていた。
動画内ではタイ国旗の船が確認でき、タイ籍のタンカーであることが示唆されていた。動画は拡散し、タイ海軍の情報網に届いた。
タイ海軍の対応
タイ海軍は動画の内容を確認後、捜査を開始した。タンカーの船籍・所有者・今回の経路などを調査。燃料危機の最中に「国内向け」に割り当てられた燃料が海上で他国に横流しされていれば、国の備蓄が外部に流出することになる。
タイ政府はこの時期、燃料の違法横流しや闇市場への流通に対して厳しく対処する方針を打ち出していた。海上での横流しは陸上と異なる取り締まりが必要で、海軍の関与が不可欠だ。
燃料危機下のタイの輸出問題
タイが燃料危機の最中にもラオス・カンボジアなど周辺国への燃料輸出を続けているという批判は、国内でも上がっていた。政府は「輸出契約上の義務がある」と釈明しているが、国内が品不足で外国に売っているという矛盾感は国民の不満につながっていた。
今回の動画は、正規のルートではなく海上での「非公式な取引」の疑いがあるため、問題の性質がより深刻だ。燃料の横流し・転売は民事上の問題だけでなく、燃料危機関連の規制違反として刑事罰の対象となる可能性がある。
タイの海上管轄
タイ海軍はタイ領海および排他的経済水域(EEZ)内の不正活動に対する取り締まり権限を持つ。今回の動画がどの海域で撮影されたかによって、管轄が変わる可能性もある。タイ・カンボジア・ベトナムの海域が交差する南部湾では、複数国の管轄が絡む事案も珍しくない。
動画の拡散によって国際的な注目を集めたこの事件は、燃料危機と海上の密輸問題という二つの課題を同時に浮き彫りにした。