タイ南部の路線バスが2026年4月、燃料高騰に耐えきれず1路線あたり20〜30バーツの値上げに踏み切った。同時に、マイカーの利用を控えて公共交通機関に移行する市民が増え、バスや乗り合いタクシーの利用客が30〜40%増加している。
値上げの詳細
トラン県のバスターミナルでは、トラング〜パタルン・ラノード・ハジャイ・ソンクラーの路線で路線バスやミニバスが次々と値上げを発表した。1区間あたり20〜30バーツの引き上げで、南部の都市間移動のコストが大幅に上昇した。
トラン県バスターミナルの事業者アナン・ダムコート氏は「ディーゼル代が跳ね上がって、今の料金では絶対に赤字だ。値上げしなければ路線を廃止せざるを得ない」と述べた。ミニバス(รถตู้)やミニバスの多くが12〜15人乗りで、1台あたりの燃料消費量が大きい。
利用者の増加
逆説的だが、ガソリン・ディーゼル価格の高騰でマイカーの維持費が上がったため、公共交通を選ぶ人が増えている。トラン市のバス停では、家族連れやバイクの代わりにバスを選ぶ人の姿が目立つようになった。
ある住民は「以前は車で直接行っていたが、今はガソリン代が高すぎて乗り合いバスにしている。乗り合いなら1人あたりが安くなる」と説明した。
南部の交通インフラの現状
タイ南部はゴム農園・果物農地・漁業地帯が広がる広大な地域で、鉄道の路線密度が低い。バス・乗り合いタクシー(ロットゥー)が主要な公共交通手段となっており、値上げはこの地域の人々の日常的な移動コストに直結する。
政府は燃料高騰の影響を受けた公共交通機関に対して「1台あたり5,040バーツの補助金」を支給する措置を発表したが、現場の事業者からは「まだ十分ではない」との声も聞かれる。