バンコク地下鉄(MRT)を運営するBEM(Bangkok Expressway and Metro 公社)は2026年5月25日、6月1日からMRTブルーラインとパープルラインで「旧MRTカード」と「MRT Plusカード」が使用できなくなることを発表した。決済システムをEMV非接触(EMV Contactless)規格に切り替えるためで、新システムでは国際ブランドのクレジットカード(VISA/Mastercard/UnionPay)、コンタクトレスデビットカード、Spider EMVカードに対応する。旧カードを保有する利用者は、ブルーラインまたはパープルラインの各駅にある券売所で、本人確認書類と旧カードを持参すれば無料で交換が可能。バンコクと近郊で日常的にMRTを利用する在タイ日本人駐在員や観光客にも影響する重要な変更となる。
6月1日からブルーライン+パープルラインで旧カード使用不可
BEMの発表によると、対象はバンコクのMRT地下鉄ブルーライン(クロントゥーイ-バンスー-プーノックヒン)とMRTパープルライン(クロンバンパイ-タオプーン)の両路線。同じBEM運営の主要2路線で、6月1日午前0時を境に「旧MRTカード」と「MRT Plusカード」での乗車・改札通過ができなくなる。新規発行や残額の追加チャージも停止する。
移行先はEMV非接触決済システム
新システムはEMV Contactless(国際的なICカード非接触決済規格)に準拠する。対応する決済手段は以下の4種類。
- VISA/Mastercard/UnionPayのクレジットカード(コンタクトレス対応)
- コンタクトレス対応のデビットカード
- BEM独自の「Spider EMV」カード(旧カードからの移行先)
- 一部の交通系プリペイドカード
この移行で海外からの観光客は自分のクレジットカードを直接タッチして乗車できるようになり、両替や専用カード購入の手間が省ける。一方、現金主義の高齢タイ人にとってはハードルが高い変更となる。
旧カード交換は両ラインの全駅の券売所で無料
旧MRTカードとMRT Plusカードを保有する利用者は、ブルーライン・パープラインの全駅にある「券売所(チケットオフィス)」で、新しいSpider EMVカードへの交換を受けられる。手続きは無料で、必要なものは以下のとおり。
- 旧カード(MRTカードまたはMRT Plusカード)
- 本人確認書類(タイ国民は身分証カード、外国人はパスポート)
残額の引き継ぎについては、本記事執筆時点でBEMから公式発表が明確にされていない。利用者は事前に券売所で詳細を確認することが推奨される。
BEMインフォメーション+5/31までの駆け込み交換
BEMが公開しているインフォメーション電話番号は0-2624-5200。事前に問い合わせて駅と曜日・時間帯を確認できる。6月1日から旧カードが使えなくなるため、5月31日までに早めに駅で交換を済ませることが推奨される。混雑のピークは5月末の数日と予想される。
バンコクのMRT地下鉄は通勤+観光+空港接続の基幹路線
バンコクのMRT地下鉄は、シーロム・サトーン・スクンビット・チャトゥチャク・ラチャダーピセークなど駐在員が住むエリアと、スワンナプーム/ドンムアン空港接続、ホテル街、観光名所を結ぶ重要なインフラ。在タイ日本人駐在員と短期観光客の多くが利用しており、旧カードの交換期限を逃すと、6月1日以降は改札を通れず、その場で新カード購入か信用カード対応かの選択を迫られる。早めの交換または、VISA/Mastercardコンタクトレスの保有確認が望ましい。
バンコクの公共交通系カードの統合化トレンド
タイ政府とBEMはここ数年、MRT・BTS・空港鉄道・バスの決済システム統合を進めてきた。EMV Contactless規格への移行は、世界各地の都市部で進む動きで(ロンドン、ニューヨーク、シンガポール、東京の一部など)、観光客の利便性と決済データの統合管理に寄与する。今回のBEMの動きは、バンコクの公共交通全体のキャッシュレス化を加速する一歩と位置付けられる。