タイ南部の観光地プーケットで、当局が島内の1万社を超える企業を一斉に調べ、外国人による違法な「名義貸し」事業の摘発に乗り出した。タイ内務省のポンピー副大臣によると、400社以上が名義貸しの疑いがあるとみられ、民事・刑事の両面で責任を問う方針だ。外国資本がタイ人名義を隠れみのに事業を営む手法に、本格的なメスが入る。
「名義貸し」とは何か
名義貸し(ノミニー)とは、外国人が出資や経営の実態を持ちながら、形式上はタイ人を株主や経営者に立てて、外資規制を回避する手法を指す。タイでは外国人の事業所有が法律で制限されており、こうした名義貸しは違法とされる。
1万社を点検、400社超に疑い
ポンピー副大臣は、プーケット島内の1万社を超える企業を対象に調査を進めると表明した。これまでに400社以上で名義貸しの疑いが浮上しているという。当局は、違反が確認されれば民事・刑事の両面で立件する構えだ。
相次ぐプーケットの摘発
プーケットでは、外国資本の流入とともに名義貸しが横行しているとされ、当局の取り締まりが続いている。6月にも高級建設現場が摘発され、中国人やミャンマー人が多数逮捕された(関連記事:プーケットの高級建設現場を摘発、中国人16人とミャンマー人62人逮捕 ノミニー捜査)。
観光ブームに沸くプーケットでは、不動産やツアー、飲食などで外国資本の関与が深まっている。今回の島ぐるみの点検は、こうした事業の透明化を迫る動きといえる。