欠陥品をつかまされたとき、不良品だと証明する責任が消費者から販売者へと移る。タイの下院は6月24日、こうした内容の「レモン法」(製品欠陥責任法)を全会一致の420票で可決した。これまで消費者が泣き寝入りしがちだった欠陥品トラブルで、買い手の立場が大きく強まる。閣議での承認に続く前進で、成立すれば車や家電など幅広い製品が対象となる(関連記事:タイで「レモン法」閣議承認、欠陥品の証明責任が消費者から販売者へ)。
証明責任が販売者に移る
これまでタイでは、買った製品に不具合があっても、購入前から欠陥があったと消費者の側が証明しなければならず、ハードルが高かった。新しい法律では、一定期間内に現れた欠陥について販売者が責任を負う仕組みに変わる。複雑な技術が詰まった現代の製品では、買う前に欠陥を見抜くのは難しいという考え方が背景にある。
責任を負う期間は製品によって分かれる。一般の商品や家電、電子機器、バイクは6か月、自動車は1年が目安とされる。特に自動車とバイクには、定められた期間や走行距離の範囲で生じた欠陥に幅広く責任を負う「厳格責任」が適用される。
修理・交換・返金を求められる
消費者は、欠陥品について修理や交換、値引き、返金を求めることができる。深刻な欠陥の場合は、一般の製品なら7日以内、電気・電子製品なら14日以内に、すぐ交換するよう求められる。修理にかかる期限も定められ、多くの製品で最長60日、自動車は最長90日とされる。
買い手にとっては、トラブル時の選択肢がはっきりし、メーカーや販売店との交渉もしやすくなる。タイで車や家電を買う在住者にとっても、心強い制度といえる。
成立にはまだ手続きが残る
下院は、24人の特別委員会を設けて15日間の修正期間を置くなど、慎重に審議を進めてきた。法律として正式に成立するには、今後、上院の承認と国王の裁可が必要となる。施行されれば、タイの消費者保護は大きく前進することになる。
