タイの大手財閥サハグループの中核企業SPI(サハパタナ・インターホールディング)が、日本の都市開発大手・東急(とうきゅう)などと組み、東部チョンブリ県シラチャで「未来都市」を構想する。サハグループが保有する約700ライ(約112ヘクタール)の土地を対象に、暮らしと仕事、投資が一体となった新しい街づくりを目指す。日本人が多く暮らすシラチャで、日系資本が深く関わる大型プロジェクトとなる。
SPI・東急・サハ東急が覚書を締結
発表によると、SPIは東急コーポレーション、そして両社の合弁会社サハ東急と、シラチャでの開発計画に関する覚書(MOU)を結んだ。今後3年かけて事業の実現可能性を調べ、10〜20年先を見据えた開発戦略をまとめる。対象は、サハグループがシラチャに持つ約700ライの土地だ。
東急とサハグループの関係は深い。サハ東急は2014年に両社が50対50で設立した合弁会社で、東急は同じ年からシラチャで事業を続けてきた。今回の構想は、その長年のパートナーシップの延長線上にある。
「働く街」と「暮らす街」を融合
目指すのは、未来型のモデル都市だ。「モダン・ワーキング・プレイス(先進的な働く場)」と「プレナリー・リビング・エリア(充実した暮らしの場)」という二つのコンセプトを掲げ、教育、住宅、商業、ビジネス、ライフスタイルの機能をバランスよく結びつける構想だという。
シラチャは、タイ東部経済回廊(EEC)の中心に位置し、日系製造業の集積地として発展してきた。日本人学校や日本食レストランも多く、タイ有数の日本人コミュニティを抱える街として知られる。
EECの成長を見据えて
今回の取り組みは、シラチャを「住む・働く・投資する」未来志向の拠点として育て、EECで生まれる新しい産業や投資の受け皿にする狙いがある。世界的な投資マネーの流れを取り込み、地域の長期的な可能性を引き出すことを目指す。日系企業が深く関わる街づくりは、シラチャに住む日本人にとっても身近な変化となりそうだ。

