タイの中央銀行であるタイ銀行(BoT)は6月24日、政策金利を1.0%に据え置くことを決めた。日本と並ぶ水準で、世界でも最も低い部類に入る。多くの国が金利を高めに保つなか、タイは低金利で景気を下支えする姿勢を続ける。一方で通貨バーツは年初から大きく値下がりしており、当局は動きを注視している。
金利1%を維持、日本に並ぶ低さ
タイ銀行のウィタイ総裁によると、政策金利1%は景気の回復を支えるための水準で、これは日本の金利と同じ。世界で2番目に低い水準だという。利上げに動く国が多い世界の流れとは逆の対応だ。金融政策委員会は据え置きを決め、あわせて2026年の成長率見通しを2.3%に引き上げた。
低金利で景気を下支え
タイ経済は、米国との貿易摩擦や地域の不安定さといった逆風にさらされてきた。低金利を保つことで、企業や家計の資金繰りを助け、景気の腰折れを防ぐ狙いがある。タイ銀行は当面、緩和的な金融環境を続ける構えを示している。
バーツ安は輸出・観光に追い風
通貨バーツは年初からおよそ5.7%値下がりし、1ドル=33バーツを超えて約1年ぶりの安値圏にある。米国とタイの金利差が広がっていることが主な背景だ。タイ銀行はバーツの動きを注意深く見守っているが、エコノミストの間では、バーツ安はむしろ好材料だとの見方もある。
輸出企業にとって、バーツ安は製品の価格競争力を高める。海外からの旅行者にとっても、バーツが安いほどタイでの滞在費は割安になり、観光の追い風となる。日本円から見ても、バーツ安はタイ旅行や生活のコスト面でプラスに働きやすい。
