タイの空港運営大手AOT(タイ空港公社)が、2034年までに傘下の6空港を大規模に拡張する長期計画を発表した。新ターミナルの建設や施設の拡充を進め、6空港合計の年間旅客処理能力を1億6,000万人超に引き上げる。タイを「世界水準の航空ハブ」に押し上げる狙いで、観光や物流の拡大を見据えた動きだ。7月1日のAOT創立47周年を前に明らかにした。
スワンナプームは年7000万人へ
タイの玄関口スワンナプーム空港では、複数の拡張が進む。東側を約8万1,000平方メートル拡げる「東側拡張」が2031年に開業予定。さらに75万平方メートル超に及ぶ「南側開発計画」は2029年に着工し、第1段階が2033年に開業する見込みだ。これらにより、同空港の年間処理能力は7,000万人に達する。
ドンムアン・プーケット・チェンマイも
格安航空会社の拠点であるドンムアン空港では、第3ターミナルを新設し、第1・第2ターミナルも改修する。鉄道網との接続も強化し、2034年の完成を目指す。
観光地の空港も拡張される。プーケット国際空港では国際線ターミナルを広げ、航空機の接続ゲートを増設する(2031年完成予定)。チェンマイ国際空港では南側に新しい国際線ターミナルを設け、既存ターミナルは国内線用に転用する。1,100台収容の駐車場も整備し、2034年の完成を見込む。南部のハートヤイ空港も、2026会計年度内にマスタープランをまとめる。
旅客数は回復基調
背景には、旅客需要の回復がある。2025年10月から2026年5月までの間に、AOTの6空港は55万2,119便を扱い、旅客数は9,098万人に上った。前年同期比で便数は1.38%、旅客数は2.76%増えている。
タイは外国人観光客の受け入れ拡大を国家戦略に掲げており、空港の処理能力増強はその土台となる。日本からの旅行者が多く利用するスワンナプームやプーケット、チェンマイの各空港が広がることで、混雑の緩和や利便性の向上も期待される。