タイ・ナコンラチャシマ県(コラート)で2026年5月25日、政府の購買補助プログラム「タイ助けタイプラス60/40」の登録開始初日に、クルンタイ銀行の各支店に高齢者を中心とした住民が殺到、ダーンクントー郡では午前6時の銀行開店時刻のはるか前、午前3時30分頃から並び始める住民がいたことが分かった。長時間立っての行列を避けるため、人々は「靴を並べて場所取りをする」工夫で対応、行列が膨らんで押し合いになり高齢者が転倒する危険な場面も出ていた。本サイトが先に伝えたチャイナット県の61歳女性が登録を諦めた事例、ブリーラム県の47歳女性が眠らずに待機した事例、ピチット県・ナコンラチャシマ「ザ・モール」内クルンタイ銀行の混雑事案に続く、デジタル登録方式と高齢者層の現実のギャップを示す象徴的な現場の光景となった。
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午前3時30分から、靴で「場所取り」する高齢者たち
事案はナコンラチャシマ県内のダーンクントー郡で確認された。タイ助けタイプラス60/40の登録は5月25日午前6時に始まり、PaoTangアプリでの登録が原則だが、アプリ操作に不慣れな高齢者・地方居住者・身分証の更新が必要な人々は、銀行窓口での代理登録・本人確認サポートに頼る必要がある。クルンタイ銀行は政府福祉プログラムの実務銀行で、登録初日には全国の支店に殺到の予想があった。
実際、ダーンクントー郡のクルンタイ銀行支店前には午前3時30分頃から並び始める住民が現れた。銀行の開店時刻は午前6時、その2時間半前から待ち続けるのは肉体的にきつい。住民たちは「靴を並べて場所取り」する工夫で対応、立ったまま2-3時間待つ負担を一部軽減する形を取った。タイの地方では葬式・チケット販売・宗教行事などで「靴の場所取り」は古くからの慣習で、今回も自然発生的に同じ方法が使われた。
押し合いで高齢者が転倒寸前の場面も
開店時刻の午前6時が近づくと行列はさらに膨らんだ。先頭付近では「自分の権利が確保できるか分からない」「3,000万人の定員に達したら締め切られる」という焦りから押し合う動きが出て、高齢者が転倒寸前の場面も発生した。子や孫が手伝いに付き添うケースも多く、自宅から銀行へ移動する高齢者の同伴サポートが地域全体で必要になる構図が見えてきた。
PaoTangのインストール・本人確認のサポートを銀行窓口で
並んだ住民の多くが必要としていたのは、PaoTangアプリのインストール、本人確認(顔認証+身分証スキャン)、口座連携、登録手続きの代理サポート。スマートフォン操作に慣れていない高齢者、文字が見にくい人、機種が古いスマートフォンを使う人にとって、銀行員の対面サポートは事実上の唯一の手段。クルンタイ銀行は専属スタッフを配置して対応にあたっているが、午前中の処理能力は時間あたりの限界がある。
デジタル登録方式の構造的限界、本サイトが連続報で伝えてきた現象
タイ助けタイプラスのデジタル登録方式は、定員3,000万件の効率的な処理と詐取防止には有効だが、高齢者・地方居住者・デジタル弱者層に対する救済策が欠けている点で構造的な限界がある。本サイトは登録初日に向けて、(1)チャイナット県の61歳女性が「やり方わからない」と諦めた事例、(2)ブリーラム県の47歳女性が眠らずに待機した事例、(3)ピチット県の高齢者中心の銀行混雑事例、(4)ナコンラチャシマ「ザ・モール」内クルンタイ銀行の長蛇の列の事例、を連続して伝えてきた。今回のダーンクントー郡の「午前3時30分から行列+靴で場所取り」は、デジタルディバイドの極致を見せる現場光景と言える。
政府は「定員3,000万件、確認待ち期間に枠キープ」と説明
タイ財務省およびクルンタイ銀行は、登録枠が3,000万件あり、本日午前中にすでに2,000万件以上が登録済み、3日間の確認待ち期間中に枠は確保される、とする立場。市民の焦りを和らげる説明ではあるが、現場の高齢者にとっては「今日この場で確実に登録するしかない」という切迫感が依然として強い。本サイトでは午後の状況、定員消化のタイミング、追加の代理登録枠の設置可能性について続報を伝える予定。