2026年6月1日からバンコクの地下鉄MRT青線(ブルーライン)と紫線(パープルライン)で、これまで使われてきた旧MRTストアードバリューカードとMRTプラスカードが完全に使用停止になる。代わりに、Visa・Mastercard・銀聯(UnionPay)のEMVコンタクトレス対応クレジット/デビットカードを改札にタッチするだけで運賃が引き落とされる新方式へ移行する。新規発行のマンムーン(Mangmoom)EMVカードも選択肢として用意され、12月末まで発行手数料は無料。在タイ日本人のうちMRTを日常的に使う層は、5/31までに旧カードの残高を駅の窓口で現金払戻ししてもらうか、お手持ちのVisa/Masterタッチ対応カードに切り替える対応が必要になる。
6/1からの新方式、Visa/Master/銀聯のタッチ決済が標準
タイのピーパット運輸大臣は5月25日までに、MRT青線・紫線で2026年6月1日から実施される運賃決済の全面EMV移行を確認した。新方式では、改札機にコンタクトレス対応のクレジットカード(Visa・Mastercard・UnionPay)を直接タッチするだけで、口座から運賃が即時に引き落とされる。日本のSuica/PASMO型のチャージ式カードとは異なり、銀行発行の汎用カードがそのまま乗車券として機能する設計で、香港のオクトパスやシンガポールのSimplyGoに近い思想と言える。
旧MRTカード/MRTプラスカードは5/31で改札不可
4月1日付けでチャージ(トップアップ)受付が既に停止されており、これまで継続的に使えていた旧MRTカード・MRTプラスカードは6月1日0時から改札を通せなくなる。バンコク・在住者の多くが財布の奥に放置している旧カードがあれば、5月31日までに使い切るか、駅窓口での払戻し手続きを取る必要がある。日数は約1週間しか残っていない計算になる。
残高の現金払戻し、3/1から2027/12/31まで受付
ピーパット大臣は「2026年3月1日以降、旧MRTカードあるいはMRTプラスカードをお持ちの方は、任意の駅の窓口に持参いただき、残高の現金払戻しを請求できる」と説明している。払戻し請求の受付期限は2027年12月31日まで設定されており、6/1以降も約1年半は手続き可能だが、駅窓口の混雑回避と財布の整理の観点で、5/31までに済ませるのが現実的だ。払戻し方法は、旧カードを駅員に提示し、残高分を現金で受け取るシンプルな流れ。
マンムーンEMVカード、年内発行手数料無料
新規にカードを取得する場合の選択肢が、マンムーン(Mangmoom)EMVカード。タイ運輸省主導の「共通乗車券政策(Common Ticket Policy)」の中心で、今後バンコク首都圏の6路線(レッドライン、青線、紫線、ピンクライン、イエローライン、エアポート・レール・リンク)で共通利用が可能。発行手数料は2026年3月1日から12月31日まで無料化され、初回チャージ100バーツ(約450円)から利用開始できる。タイの国民IDカードを発行窓口で提示する必要があり、外国人はパスポート対応の可否を駅窓口で確認することになる。
学生・高齢者は要登録、割引運賃はマンムーンカードのみ
学生割引・高齢者割引を従来享受してきた利用者には、追加の手続きが必要になる。汎用Visa/Masterカードでは割引運賃が適用されないため、6月1日以降に割引運賃を維持するには「パーソナル化マンムーンEMVカード」を発行してもらう必要がある。学生証や高齢者証の確認が窓口で行われ、IDと紐付けて発行される仕組み。在タイ日本人で60歳以上の高齢者割引対象者は、5月中の窓口手続きを検討する場面になる。
1月1日からはトークンも廃止、QRチケットへ
さらに2027年1月1日からは、現金乗車に使われている単発の青いプラスチック製トークン(コイン状の使い捨てトークン)も廃止される予定。代わりに駅の券売機でQRコードチケットを購入し、改札のスキャナーにかざす方式に切り替わる。MRTでのトークン文化は完全に終了し、紙のQR券もしくはタッチ式カードの2択になる。
移行の背景、共通乗車券政策で6路線一括
今回の移行は、タイ運輸省が掲げる「共通乗車券政策(ตั๋วร่วม / Common Ticket)」の核心。クルンタイ銀行が決済バックエンドを担い、青線・紫線・レッドライン・ピンクライン・イエローライン・エアポート・レール・リンクの6路線を1枚のEMVカードで横断利用できる体制を構築している。「将来的にはバスや他の公共交通モードへの拡張も視野に入れている」(クルンタイ銀行)とされ、バンコク首都圏の公共交通決済の統合が一気に進む形になる。
5/31までの4つの選択肢、Visaタッチ対応か新カード発行
スクンビット・シーロム・サトーン・ラチャダー沿線で青線・紫線を日常的に使う層は、以下のいずれかの対応が必要だ。
- 5/31までに旧MRTカード/MRTプラスカードの残高を駅窓口で現金払戻し
- お手持ちの日本発行Visa/Mastercardでタッチ決済対応のものを確認(海外旅行時のタッチ決済可否は要事前確認)
- タイ国内でタッチ決済対応のクレジット/デビットカードを準備
- マンムーンEMVカードを駅窓口で新規発行
財布の奥に旧MRTカードを放置している人は、駅窓口の混雑が始まる前に手続きを済ませておきたい。