タイ政府の物価対策キャンペーン「Thai Help Thai(ไทยช่วยไทย)」が5月1日午前11時、ノンタブリ県のバンヤイシティモールで正式にキックオフした。アヌティン・チャンウィーラクール首相兼内務相とスパチー・スタンパンダ副首相兼商務相、地元選出のスパッタヤ・メーシリ国民党議員が出席し、買い物客向けに低価格販売の現場を視察した。
このキャンペーンは生活費の軽減を目的としたもので、5月中の毎週金曜日に全国一斉で割引販売を実施する。対象店舗は全国710地区の地方事務所内の臨時販売所と、Lotus's、Big C、Makroなどの大型小売チェーンが中心。対象商品は植物油、オイスターソース、ティッシュペーパー、食器洗剤、米、即席麺など、タイの一般家庭で日常的に使われる品目を網羅する。
地元選出のスパッタヤ議員(国民党)は、首相一行の到着時に「出迎えるために来た」と述べ、買い物カート押しを手伝う形で同行した。与党と野党は普段は対立関係にあるが、地元の物価対策には超党派で参加する形になった。
タイの物価高は2025年から継続的な国民の関心事で、食料品・日用品は前年比10%以上の値上がりが続いている。前政権下で実施された半額補助「コンラクルン」シリーズの後継版は来年度予算法案・借入金法案の整理待ちで5月5日の閣議に上がるかが焦点となっており、今回の「Thai Help Thai」はそれに先立つ「店頭値引き型」の即時策として位置付けられている。
具体的な値引き率はこの日の発表では明示されていないが、過去の同種キャンペーンでは商品ごとに10〜30%の小売価格引き下げが一般的だった。タイIDの提示や事前登録は不要で、店頭で直接の値引き価格が適用される仕組みになるため、在タイ日本人や短期旅行者も実質的に利用できる。
参加店舗のうちLotus's・Big C・Makroは在タイ日本人にも馴染みの大型小売チェーンで、生鮮食品から日用品までを一括で扱う。バンコク・ノンタブリ・チェンマイなどの主要都市部の店舗で5月の毎週金曜日に値引き商品が並ぶ予定で、米や即席麺といった主食系も対象になる。買い置きが必要な家庭は、5月の金曜日に買い物日を合わせる選択肢も実用的だ。
商務省の物価対策は、4月30日からの「Back To School 2026」(学用品・乳製品・通信プランの値引き)と並走する形で5月の家計支援策が二本立てで動く構図になる。閣議でコンラクルン後継版の予算が承認されれば、6月以降にデジタル決済型の半額補助が三段目として加わる可能性もある。