タイ陸運局がガス車(CNG/LPG)検査所による虚偽の検査証明書発行を摘発し、検査所の事業許可と署名エンジニアの職業資格をいずれも取消す処分を行ったと発表した。発表は同局車両工学事務所長兼スポークスパーソンのティティパット・タイチョンラック氏が行ったもので、納税書類の不一致から発覚した今回のケースは、ガス車を改造して使用する利用者と他の道路利用者の安全に直結する深刻な不正と位置づけられた。
問題の手口は、検査所が実際の検査を行わずに証明書を発行していたというもの。詳細調査では、同じ時間帯に別の県で別の車に対して検査記録が出されていたほか、署名したエンジニアの位置情報を遡ると、そもそも該当車両の所在地に出向いていないことが確認された。証明書の発行のみで実検査が省略されている悪質な事例だ。
同局はこの行為が、ガス車検査・試験の実施規定(2017年告示)第3.1項・3.2項に違反するとし、検査所許可を直ちに取消した。同時にエンジニアの所属する技術者協会へ通報し、当該エンジニアの職業資格も剥奪する決定が下されている。検査所側・エンジニア個人側の両方を一気に処分する厳格な対応となった。
ガス車(CNG/LPG)はガソリン車に比べ燃料費が安いため、タイの個人乗用車・タクシー・小型商用車で広く改造利用されている。一方で、ガスタンクの定期検査を怠ると重大事故に直結するリスクが高いため、定期的な検査と証明書の発行が法律で義務化されている。今回のような虚偽証明書の発行は、検査されないまま走行する車両の増加につながり、爆発・漏洩事故の温床になりかねない。
陸運局は、CNG/LPG車の利用者と検査所事業者の双方に「実検査の実施」と「証明書の真実性」を厳守するよう改めて警告。同様の不正を見つけた市民は陸運局のホットライン1584に通報するよう呼びかけている。違反が確認された検査所には許可取消、エンジニアには資格剥奪という今回のような厳しい処分が今後も継続的に行われる見通しだ。