タイのエカナット・プロムパン工業エネルギー大臣が、再生可能エネルギーの「Adder方式」電力買取契約4,000MW以上の廃止を国家エネルギー政策委員会(GPC)に提案する方針を4月27日までに明らかにした。あわせて家庭用電気代の構造改定も6月分の請求から開始予定で、月400ユニット(kWh)を超える使用分について価格が1バーツ上昇し、超過分は5バーツ/ユニットの支払いとなる。
Adder方式は、再生可能エネルギー(ソーラー・バイオマス等)からの電力を市場価格に上乗せした特別単価で買い取る仕組み。現在は3-5バーツ/kWhで、4,000MW以上が自動延長され、全発電容量の約10%を占めている。FT(燃料調整費)に約20サタン/kWh転嫁されており、家庭の電気代を押し上げる構造の一因となっていた。
エカナット大臣は「再エネ事業者は既に投資回収を終えており、現在の燃料コスト水準に対しては高すぎる」と判断。ソーラーは2.20バーツ/kWh、バイオマスも適正水準への引き下げ交渉を進める。「交渉が成立しなければ訴訟覚悟で契約解除する」「民間が訴訟するなら受けて立つ」と強硬姿勢を示した。交渉成立で約10サタン/kWhのコスト圧縮が見込まれる。
家庭用電気代の改定では、月使用量400U超の世帯が直撃を受ける。400Uを超えた分は1バーツ上昇し、5バーツ/Uの単価が適用される。一方で200U未満の小口家庭には別途支援策が用意される(別途内閣審議予定)。エアコンを多用する都市部の駐在員世帯にとっては、真夏の請求書がさらに膨らむ展開だ。
タイでは中東紛争由来のエネルギーコスト上昇でThai AirAsiaの9路線運休やTG日本路線サーチャージ倍増が続いている。電力業界のAdder契約見直しは、過去の高単価固定契約を整理し、消費者価格への波及を抑える政策的な動きと位置付けられる。
タイ在住の駐在員家庭は、月の電気代が3,000-6,000バーツ規模になることも珍しくない。今回の「400U超で5B/U」適用は、エアコン稼働の多い5月の真夏期に直撃する。新ルールは6月分の請求から適用される予定で、家計直撃のニュースとして見過ごせない。一方でAdder契約廃止が成功すれば、最終的にはFTの低下を通じて電気代全体の圧縮につながる可能性もある。