タイ東部ラヨーン県のスアンソン・ビーチで、ピンク色のナマコが数百万匹も打ち上げられ、砂浜が赤みがかったピンク色に染まる珍しい光景が、訪れた人々を驚かせている。
打ち上げられたのは、「ピンクトゲナマコ(学名Cercodemas anceps)」とみられる種で、明るいピンクから赤みを帯びたオレンジ色をしている。体の表面は小さなこぶやとげで覆われている。ナマコは、岩場や砂泥の海底にすむ棘皮(きょくひ)動物で、ヒトデやウニの仲間にあたる。普段は人目に触れにくい海底の生き物が、これほど大量に岸へ打ち上げられるのは珍しい。
専門家によると、原因は最近の嵐とみられる。強い風と荒れた波によって、海底にいたナマコが生息地から押し流され、一斉に岸へ打ち上げられたという。専門家は今回の現象について、「珍しい出来事ではあるが、生態系の悪化を示すものではなく、自然現象だ」との見方を示している。天然資源環境省も、念のため調査を指示した。
一方で、当局は打ち上げられたナマコに直接触れないよう注意を呼びかけている。ナマコの中には、身を守るために化学物質を出す種もあるためだ。ナマコはタイの海でも各地で見られ、とくに中華料理では乾燥させたものが高級食材として珍重される。
タイ湾の沿岸では、同じ時期にパタヤのジョムティエン・ビーチでも、大量のムール貝やマテ貝が打ち上げられている。モンスーン(雨季)で海が荒れるこの時季は、海の生き物が思わぬ形で姿を現すことがある。色鮮やかなナマコが浜を埋める光景は、タイの海の豊かさと、自然の力を改めて感じさせる。
