タイ中部サラブリ県で、河川の水からヒ素と鉛が基準を超えて検出された。公害防止局(PCD)が、ムアン郡を流れる3つの水路で調査したところ、いずれも有害な重金属が基準値を上回っていたという。当局は汚染源の特定を急ぎ、原因者を厳しく取り締まる方針を示している。
サラブリの3つの水路でヒ素・鉛を検出
公害防止局によると、ヒ素と鉛が基準を超えて検出されたのは、サラブリ県ムアン郡の「ノンナムキアオ運河」「ケート運河」「フアイタケー」の3地点である。ヒ素も鉛も、体内に蓄積すると健康に深刻な影響を及ぼす有害物質で、飲み水や農業用水が汚染されれば、住民の暮らしに直結する。
きっかけは黒く濁った運河
今回の調査は、フアイタケーの水が黒く濁ったことがきっかけだった。当局は、工場などからの違法な排水が原因ではないかとみて、関係機関と連携して汚染源の追跡を進めている。タイでは、規制を逃れた工場や事業者が、有害な廃液を川や運河に不法に流す事例が後を絶たず、地域の水環境を脅かしている。
水道水は「安全」、原因者を立件へ
一方で、公害防止局は、水道水については基準を満たしており、現時点で安全だとしている。ただし、汚染された水路の水が農業や生活にどのように使われているかによっては、影響が広がるおそれもある。当局は、汚染源を特定したうえで、違法な排出を行った者を厳しく立件する構えを示している。
タイ各地で相次ぐ水質汚染
重金属による水の汚染は、タイ各地で問題になっている。北部では、コック川やサイ川などでヒ素が基準を超えて検出され、住民に直接の使用を控えるよう注意が呼びかけられた。メコン川の本流でも、初めて危険な水準のヒ素が確認され、上流ミャンマー側の無規制な鉱山との関連が指摘されている。サラブリのケースは、こうした水質汚染がタイの広い範囲に及んでいることを、改めて示すものである。