電子タバコを日常的に使う人は、そうでない人に比べて勃起不全(ED)になるリスクが2倍に高まる。タイの保健省疾病管理局がそうした研究結果を発表し、注意を呼びかけている。持病のない健康な人でもリスクが上がるという。タイではそもそも電子タバコの所持・使用が法律で禁止されており、健康面と法律面の両方から「手を出さない方がいい」というメッセージが重なった形だ。
「持病がなくてもリスク2倍」、血流が鍵
研究を発表したのは、タイ保健省の疾病管理局。同局のモンティエン・カナサワディ局長が6月12日に明らかにした。それによると、電子タバコの常用者は、吸わない人に比べてEDのリスクがおよそ2倍に上がる。もともと血管や心臓に持病がない人でも、リスクの上昇が確認されたという。
カギを握るのは血流だ。電子タバコに含まれるニコチンには血管を縮める作用があり、全身の血の巡りが悪くなる。性器への血流も不足し、勃起の機能に支障が出る。さらに、血管の老化や全身の炎症が進むことも、悪影響に拍車をかけるとされる。
若者に広がる使用、専門家は「すべての喫煙を避けて」
モンティエン局長は、電子タバコが性の健康を含めて複数の健康リスクをもたらすと指摘し、とりわけ若い世代に対して、あらゆる喫煙製品を避けるよう呼びかけた。タイでは禁煙を支援するホットライン(1600番)も設けられている。
電子タバコは煙が出にくく害が少ないといったイメージで若者を中心に広がってきたが、近年は紙巻きたばこと同様か、それ以上の健康リスクを指摘する研究が世界的に増えている。今回のED研究も、その流れに連なるものだ。
タイでは所持も使用も違法、重い罰則
注意したいのは、タイでは健康面以前に、電子タバコそのものが法律で禁止されていることだ。2014年から、本体もリキッドも、IQOSなどの加熱式たばこ製品も、すべて販売・所持・使用が禁じられている。
違反した場合の罰則は重く、罰金は3万バーツ(約15万円)以上、場合によっては5年から10年の懲役が科され得る。旅行者が空港や繁華街で摘発される例もあり、日本では合法だからとうっかり持ち込むと、思わぬトラブルにつながりかねない。健康のためにも、法律を守るためにも、タイでは電子タバコに近づかないのが賢明だ。