「新型コロナとインフルエンザが深刻に流行しているため、すべての移動と活動を自粛するように」。そんな内容の情報がSNSで広まったが、タイ政府はこれを「事実ではない」と否定した。保健省の疾病管理局(DDC)は、移動や活動の自粛を求めるような発表や指示は出していないと明言し、デマを信じないよう国民に呼びかけている。
出回った偽の「自粛要請」
発端は、フェイスブックのファンページに投稿された情報だった。そこには、「コロナとインフルエンザが非常に深刻に流行しているため、あらゆる移動と活動を取りやめるように」という趣旨の文言が記されていた。一見すると、公的な発表のように見える内容だ。
これに対し、政府の公式フェイスブックページ「タイクーファー」は6月5日、これがデマであると注意を呼びかけた。保健省の疾病管理局も、現時点でそのような自粛の発表や命令は出していないと、はっきり否定している。
なぜこうしたデマが広がるのか
感染症をめぐる不安は、デマが広がりやすい土壌になる。とくに「外出自粛」のような、生活に直結する強い言葉は、真偽を確かめる前に拡散されやすい。一度広まると、予定の変更やキャンセルなど、現実の行動にも影響が及びかねない。
タイでは、新型コロナの流行期を経て、人々の感染症への警戒心が今も残っている。そこに、もっともらしい「政府発表」を装った情報が流れれば、信じてしまう人も出てくる。デマの拡散は、社会に不要な混乱を招く。健康や災害に関わる偽情報は、これまでも繰り返しSNS上で出回ってきた。
情報は公式から確かめる
こうした情報に接したときは、まず出どころを確かめることが大切だ。本当に政府や保健当局が出したものなら、省庁の公式サイトや公式SNS、信頼できる報道機関が伝えているはずだ。
タイには、出回る情報の真偽を検証して公表する政府の「偽情報対策センター」もあり、怪しい情報を見かけたら通報したり、検索して確かめたりすることができる。タイで暮らす人や旅行者にとっても、感染症や移動に関わる情報は気になるところだ。SNSで流れてくる「自粛要請」のような情報をうのみにせず、公式の発表を確認する習慣が、自分の身を守ることにつながる。