タイ保健省は、医療用大麻の処方箋「ポートー33」が偽造され、オンラインで不正に売買されているとして、一斉取り締まりに乗り出した。広範囲で文書の偽造や悪用が確認されたためで、タイ伝統・代替医療局(DTAM)が中心となって対応する。2026年に大麻の利用を医療目的へ絞り込んだタイで、規制をすり抜けようとする動きへの対策となる。
取り締まりの対象となるのは、大麻の処方箋として使われる「ポートー33(ภ.ท.33)」という書類の偽造と違法な取引だ。本来は医師の診断に基づいて発行されるものだが、これを偽造したり、ネット上で売買したりする例が広がっていたという。
タイは2022年に大麻を麻薬指定から外した後、利用が一気に広がった。しかし2026年に入り、政府は医療目的に限定する方向へかじを切り、処方箋なしでの販売を禁じた(関連記事:タイで大麻店の4割が閉店、医療目的限定の取締り強化で処方箋なし販売禁止)。
処方箋が必須になったことで、今度はその処方箋自体を偽造する動きが出てきた形だ。保健省は、こうした抜け穴をふさぐため、偽造書類の摘発やオンラインでの不正な売買の監視を強めるとしている。
タイの大麻政策は、自由化から再規制へと揺れ動いてきた。観光客にも身近だった大麻が、いまは医療の枠組みのなかに戻されつつある。利用を考える人にとっては、正規の手続きを踏むことがこれまで以上に重要になっている。