タイ北部最高峰ドイ・インタノン国立公園の下り道で5月14日午後、観光中の若いカップル2人がレンタルバイクで雨後の滑りやすい道路を走行中、カーブで滑って対向のピックアップトラックに正面衝突し2人とも死亡する痛ましい事故が発生した。Honda PCX(赤色)のレンタル車両で、ドイ・インタノン頂上付近を観光して下山する帰路だった。観光地として人気のドイ・インタノンで、雨期入りと重なって滑走事故のリスクが高まっている現実を象徴する事案だ。
5月14日12時20分、キロポスト22-23の下り急カーブ
事故が発生したのは5月14日12時20分頃。ジョムトン警察署(チェンマイ県)が通報を受け、現場と病院へ警察と救助隊が急行した。場所はドイ・インタノンの下り、キロポスト22-23地点の急傾斜のカーブ。連携した救助組織は、ジョムトン警察、ジョムトン病院救命隊、バーンルアン町自治体救命隊、ドイ・インタノン国立公園救助隊と複数機関に及んだ。
レンタルHonda PCXがカーブで滑り、ピックアップに衝突
事故車両はホンダPCX(赤色)のレンタルバイク。下り急カーブで滑走し、対向車線のピックアップトラックに正面衝突した。バイクは完全に転倒、車体の破片が路面に飛び散る激しい衝突だった。ピックアップトラック側も前部が大きく破損した。
女性は現場で即死、男性は搬送先で死亡
警察の現場確認によると、女性側のライダー/同乗者は現場で即死。男性は重傷で意識不明の状態ながら一命をとりとめる可能性を残して救急隊がジョムトン病院へ搬送したものの、搬送後まもなく死亡が確認された。カップル2人ともが命を落とす結果となった。
観光中、雨後の路面で滑走の典型パターン
事情聴取で分かったのは、2人ともレンタルバイクでチェンマイ市内からドイ・インタノン頂上に観光に行き、その帰路で事故に遭ったということだ。下り急傾斜の路面に、ちょうど雨が降った直後で路面が滑りやすくなっていたタイミングが重なり、ライダーが車両のコントロールを失った。タイの観光地では「レンタルバイクで観光」→「雨後の滑走」→「事故」というパターンが、雨期入りと共に頻発する。
ドイ・インタノンは標高2,565m、雨期は霧と滑走リスク高
ドイ・インタノンはタイ最高峰の山(標高2,565メートル)で、北部観光の定番スポットだ。一方で、頂上付近は雨期に入ると霧が深く、急傾斜の路面は降雨直後とくに滑りやすい。レンタルバイクで初めて訪れる観光客にとって、急カーブの連続する下り道は、想像以上の難所になる。
在タイ日本人観光客が頭に入れたい安全策
タイで観光地をレンタルバイクで巡るスタイルは、機動性が高くて人気だが、急傾斜・急カーブ・雨期の組み合わせで事故リスクは劇的に上がる。とくに在タイ日本人の若い駐在員・短期出張者の中には、慣れないバイクを軽い気持ちで借りる場面があるが、ドイ・インタノンのような急傾斜地は経験豊富なライダーでも厳しい。雨期に観光する場合は、ガイド付きツアー、四輪レンタカー、現地ドライバー雇用などの代替手段を検討するのが、結果として自分と同行者を守る現実的な選択だ。