タイの代表的リゾート観光地パタヤのビーチで5月14日未明、本来は淡水・汽水域の魚であるブラックチンティラピアが大量発見された。投網に大量にかかる様子を釣り愛好家がSNSに投稿し、釣り人・観光客の間に動揺が広がっている。タイでは侵略的外来種として近年深刻な被害を出してきた種で、海中での大量出現は、地元水産業や沿岸生態系に新たな懸念をもたらすニュースだ。日本人観光客にとっても、海岸線の異変として頭に入れておきたい事案だ。
釣り愛好家が午前3時に投稿、フォロワー2万人超
事案がSNSで広まったのは5月14日午前3時。フォロワー数2万人超のFacebookページ「ターット・チャネル」が、パタヤビーチに大量のブラックチンティラピアが押し寄せている動画を投稿した。投稿者のスタート・ウンガイェンさん(40歳)は、釣りコンテンツの配信を続けてきた人物で、パタヤビーチでのイカ釣りを定期的に行ってきたという。
投網一発で大量に捕獲、海水域での出現が異例
釣り仲間からの情報を受けて現地に駆けつけたスタートさんは、その場で投網を試してみたところ、一度の投網でブラックチンティラピアが大量にかかった。動画ではバケツに山積みされた魚体が確認でき、その様子が周辺の釣り人・イカ釣り客・観光客の関心を一気に集めた。本来この魚は淡水・汽水域の魚で、海水で大量発生する事例は珍しい。
生態系・地元水産業への影響を懸念
スタートさんは投稿の中で「この魚が海水でなぜ生息できているのか、当局は調査してほしい」「在来の小魚やイカの稚魚を食い荒らせば、沿岸生態系と地元の漁業に影響が出る」と訴えた。ブラックチンティラピアはここ数年、タイ国内で侵略的外来種として河川・養殖池での被害が報じられ続けてきた魚で、繁殖力が高く在来種を駆逐するスピードも速いとされる。
パタヤを訪れる日本人観光客が頭に入れておきたい点
パタヤは日本人観光客に最も人気のあるリゾート観光地の一つで、ビーチアクティビティやマリンスポーツが定番だ。今回の事案は直接の観光被害ではないが、生態系の変化はマリンレジャーの中身にも徐々に影響する可能性がある。地元水産業(カニ、エビ、小魚を使った料理含む)の構造にも変化が起きると、観光客が口にする海産料理にも長期的に影響しうる。当局の調査結果と対策を見守りたい。