日本人をだます詐欺コールセンターの首謀者とされる39歳の日本人の男が、バンコクで逮捕された。男は日本で指名手配されており、タイ警察が日本の当局と連携して身柄を確保した。詐欺による被害は数十億円に上るとされ、男は人身売買にも関わっていた疑いがある。
トンローで入管警察が身柄を確保
タイ警察によると、逮捕されたのは佐崎(ササキ)と名乗る39歳の日本人の男で、6月6日、バンコクのトンロー地区で入国管理警察と特別捜査班によって身柄を確保された。男は家族とともにバンコクに居住していたという。日本人が多く暮らすトンローで、邦人を狙った詐欺グループの中心人物が摘発された形である。
名古屋地裁が手配、被害は数十億円
男には、2026年4月1日に名古屋地方裁判所が逮捕状を出していた。容疑は大規模な詐欺で、被害額は数十億円に上るとされる。近年、日本の特殊詐欺グループが東南アジアに拠点を移す例が相次いでおり、カンボジアやミャンマー、フィリピンなどから日本国内の高齢者らに電話をかけ、現金をだまし取る手口が後を絶たない。こうした実行役を束ねる首謀者が国外に潜伏する例も問題となっている。
拠点はカンボジア・ポイペト
この詐欺グループの主な拠点は、カンボジアのポイペトにあったとされる。ポイペトはタイ国境に接する町で、近年、オンライン詐欺の拠点が集中する地域として知られる。こうした拠点では、高収入の仕事があると誘われて連れてこられた人々が、強制的に詐欺の作業をさせられる人身売買の問題も指摘されている。今回の男にも、人身売買に関連する容疑がかけられている。
日本とタイの警察連携で追い詰める
今回の逮捕は、タイ王国警察が日本の法執行機関と緊密に連携して実現したものである。国境を越える詐欺組織に対しては、一国だけの捜査では限界があり、関係国の協力が欠かせない。タイは日本人にとって身近な渡航先で、邦人の容疑者がタイに潜伏する例も少なくない。タイはミャンマーやカンボジアの国境地帯に広がる詐欺拠点の摘発を強めており、日本にとっても、海外へ逃れた容疑者を追ううえでタイとの連携は重要性を増している。男の身柄は今後、日本へ送還される可能性がある。