タイ中部ナコンサワン県で、43歳の女性と、その高齢の両親の合わせて3人が殺害され、遺体が畑に埋められているのが見つかった。警察は、被害女性のかつての交際相手だった42歳の男を、南部の観光地パタヤのホテルで逮捕した。男は3人の殺害を認め、正当防衛だったと主張しているとされるが、警察は空き巣目的の犯行とみて慎重に調べている。3人もの遺体が畑から掘り起こされる凄惨な事件に、地元は騒然となった。
キャッサバ畑に埋められた3人
見つかった遺体は、78歳の男性と69歳の妻、そして43歳の娘の3人だ。娘は、逮捕された男のかつての交際相手だった。3人の遺体は、パイサリ郡コークタクナム集落のキャッサバ畑に埋められており、被害者の自宅から1〜2kmほど離れた場所だったという。警察は7月3日、3人の遺体を掘り起こして収容した。事件は6月29日から30日にかけて起きたとみられている。遺体が自宅から離れた畑にまとめて埋められていたことから、警察は、犯行を隠そうとした可能性も含めて経緯を調べている。かつて家族だった人々が一度に犠牲となり、地元に大きな衝撃が走っている。
3度目の空き巣、防犯カメラに残った姿
警察によると、逮捕された42歳のサマート容疑者は無職で、以前から窃盗の逮捕状が出ており、警察が行方を追っていた。被害者宅を狙った空き巣は今回で3度目とされ、過去には4月21日に11万4000バーツ(約56万円)、5月8日に3万2000バーツ(約16万円)を盗んでいたという。防犯カメラには、火曜日の午前2時半ごろに男が家に入る様子が写っていた。犯行後、男はピックアップトラックをパトゥムタニ県に乗り捨て、南へと逃走したとみられる。警察は水曜日の夜遅く、逃げ込んでいたパタヤのホテルで身柄を確保した。
「正当防衛」を主張、続く捜査
男は3人を殺害したことを認めたうえで、警察に対しては正当防衛だったと説明しているとされる。被害者の1人がタイの伝統的な刀を手に取って脅してきたため、台所のナイフで3人を刺した、という趣旨の主張だという。ただ、遺体をわざわざ畑に埋めて逃走していることや、常習的な空き巣という背景を踏まえ、警察は男の説明を慎重に検証している。現在は司法解剖や鑑識が進められ、目撃証言や物証との照合も行われている段階だ。
身近な家族を襲った凄惨な事件
元交際相手とその両親という、かつて身近だった家族が一度に犠牲になった今回の事件は、その凄惨さと、3人もの遺体が畑に埋められていたという事実で、強い衝撃を与えている。男は過去の空き巣で被害者宅の様子を知っていたとみられ、金銭目的の犯行が最悪の結末につながった形だ。タイでは、金銭をめぐるトラブルや家庭内の確執が、こうした重大な事件に発展する例が後を絶たない。逮捕された男は容疑を認めているものの、事件の本当の全容や動機は、今後の捜査によって明らかにされることになる。
