パタヤの別荘で英国人男性が刺殺された事件で、警察は7月3日、被害者の妻である21歳の英国人女性に、殺人の容疑をかける準備を進めていると明らかにした。妻は一貫して関与を否定し、「夫は自ら命を絶った」と主張しているが、警察は、現場の状況や証言が自殺とは矛盾するとして、見方を強めている。
「自殺」か「殺人」か、割れる主張
亡くなったのは、英国人実業家のトーマス・デイビッドさん(34)。7月2日、パタヤの別荘で刺されて死亡しているのが見つかった。大麻の栽培事業に関わっていたとされる。妻のイザベル・バイオレット容疑者(21)も英国人で、事件のあと、警察に対して「夫が自分で死を選んだ」と繰り返し説明してきた。しかし警察は、その説明に強い疑問を抱いている。
警察が挙げる「争った跡」と防犯カメラ
パタヤ署のナッタポン警視正によると、「物的証拠と証言から、被害者が自ら傷つけたのではないと考えている」という。警察は現場で鑑識を行い、住居の周辺に設置された複数の防犯カメラのメモリーカードを押収した。さらに、家の中には争ったような跡があり、これが自殺という説明と食い違うと指摘する。遺体は、バンコクの警察病院にある法医学研究所で司法解剖される予定で、その結果が捜査の行方を大きく左右するとみられる。
参考人聴取から一転、強まる嫌疑
妻は事件の直後、参考人として聴取を受け、別荘から連れ出されていた。地元メディアによれば、連行される際、夫婦で飼っていた犬に別れを告げるようなそぶりを見せたという。当初は事情を尋ねる段階だったが、捜査が進むにつれ、警察の見方は「事件」へと傾いてきた。ただし、殺人容疑はまだ正式に立件されたわけではなく、妻は現在も容疑を否定し続けている。
外国人が絡む事件が続くパタヤ
パタヤは、多くの外国人が暮らし、世界中から観光客が訪れる街であり、外国人が当事者となる事件やトラブルもたびたび起きている。今回のように、被害者も関係者もともに外国人というケースは珍しくない。真相の解明は、これからの捜査と法医学的な鑑定に委ねられることになる。新たな動きがあれば、あらためて伝えたい。
