タイ気象局は、南シナ海で発生した熱帯暴風雨「マイサーク」の影響で、7月3日から6日にかけて全国15県で大雨になるとして警戒を呼びかけている。マイサーク自体はタイに上陸しないものの、モンスーンを刺激して雨雲を活発にする。北部や東北部、東部、南部を中心に、局地的に非常に激しい雨が降る恐れがあり、当局は洪水や鉄砲水への注意を促している。
上陸しないのに大雨をもたらす理由
マイサークは7月3日未明、南シナ海の熱帯低気圧が発達して熱帯暴風雨になったものだ。中心付近の最大風速は毎時65kmほどで、西へ進み、海南島を通過して7月4日から6日にかけて中国南部に上陸するとみられている。中心がタイに入ることはない。それでも大雨になるのは、マイサークが、北部から東北部にかけて延びるモンスーンの谷や、アンダマン海・タイ湾に吹く強い南西モンスーンと重なり、タイの上空へ湿った空気を送り込むためだ。台風が直接来なくても、間接的に天気が荒れるのは、この時期のタイでよく見られるパターンである。
15県で「非常に激しい雨」の恐れ
タイ気象局は、15の県で非常に激しい雨が予想されるとして、最初の警報を出した。とくに北部、東北部の上部、東部、南部では、7月3日から4日にかけて、激しい雨から非常に激しい雨が見込まれる。その後も、7月5日から6日にかけて、北部や東北部の上部では局地的に激しい雨が残るという。地元メディアは、警戒レベルの高い15県を「レッドゾーン」と伝えている。
鉄砲水と道路の冠水に警戒
心配されるのが、大雨による洪水や鉄砲水だ。山あいや川の近く、水はけの悪い低地では、短時間の強い雨で急に水位が上がることがある。都市部でも、排水が追いつかずに道路が冠水し、交通が乱れる恐れがある。当局は、洪水が起きやすい地域では特に、天気の急変に警戒するよう促している。
雨季のタイ、移動は最新情報の確認を
当局は、住民や旅行者に対し、公式の気象情報をこまめに確認し、移動の計画は慎重に立てるよう呼びかけている。タイの雨季は例年、6月から10月ごろまで続き、この時期は各地で道路の冠水や交通の乱れが起きやすい。北部のチェンマイや、東北部・東部の観光地、南部のビーチリゾートなどを訪れる予定がある場合は、現地の天気と交通の情報を直前まで確認しておくと安心だ。マイサークの影響は数日で薄れる見通しだが、雨季の本番はこれからである。
