タイ気象局が5月12日朝、全国45県に大雨警報を発令した。南部では東風(ลมฝ่ายตะวันออก)の強まりでタイ湾岸と南部全域に強い〜非常に強い雨が予想され、丘陵地・渓流近く・低地での鉄砲水・山津波への警戒を呼びかけている。タイ上部(北部・中部・東部)も「昼間は暑さ、雷雨・突風・局地的大雨」の不安定な天候で、北部・東部での大雨が予報された。タイ湾の海上は通常1m波高、雷雨域は2m超で漁船は航行注意。バンコク首都圏も大雨対象、農家は果樹補強と農産物・家畜の保護対策が必要となる。
タイ気象局(กรมอุตุนิยมวิทยา)の5月12日朝6時~13日朝6時の24時間予報を地域別に整理すると次の通り。
| 地域 | 天候 | 雨確率 | 注意点 |
|---|
| 北部 | 昼間暑い+雷雨・突風 | 60% | 局地的大雨、東部と並ぶ |
| 東北部 | 雷雨 | 中 | 鉄砲水警戒 |
| 中部 | 雷雨 | 中 | 突風 |
| 東部 | 大雨 | 高 | チョンブリ・ラヨーン・チャンタブリ警戒 |
| 南部・タイ湾岸 | 強雨〜非常に強い雨 | 高 | 漁業注意 |
| 南部・アンダマン | 強雨 | 高 | 観光地警戒 |
| バンコク首都圏 | 雷雨 | 中-高 | 通勤注意 |
南部の雨が強まる主因は、(A)東風(ตะวันออก)がタイ湾と南部全域を覆って強さを増していること、(B)海洋からの湿気供給が継続、(C)局所的に積乱雲が発達しやすい大気状態、にある。タイ湾沿岸では1m波高が標準だが、雷雨域では2m超となるため、(i)プーケット・サムイ・パンガンへの観光客の漁船利用、(ii)地元漁師の沿岸操業、(iii)クルーズ船の南部寄港、にすべて影響する。
タイ上部(北部・中部・東部)の天候は「不安定型」だ。日中は暑く感じるが、(A)タイ湾と南シナ海からの湿気が南風・南東風で流入、(B)大気が不安定化、(C)局地的に積乱雲発達、(D)雷雨と突風、というパターン。北部の雨確率60%は4月以来の高水準で、(i)チェンマイ・チェンライの観光、(ii)コラート・ロイエットの農業、(iii)東部チョンブリ・ラヨーンの工業地帯、すべてに影響する。
警戒すべきは鉄砲水(น้ำท่วมฉับพลัน)と山津波(น้ำป่าไหลหลาก)だ。タイ気象局は特に「丘陵地・渓流近く・低地」での突発的洪水を警告。5月の雨季入り前後は、降雨累積による土壌水分飽和→突発的洪水、というパターンが頻発する。地方部の生活道路・橋・農地への影響は深刻で、(A)通行止め、(B)農作物冠水、(C)家畜被害、(D)住宅浸水、のリスクが高まる。
PM2.5(粉塵)は今期は良好な状態だ。「タイ上部では粉塵・煙の蓄積は低水準で、複数地点での降雨により希釈されている」と気象局は説明。これは雨季入り前の北部山火事シーズンが終了に近づき、雨で大気が浄化されている兆候。健康面では一定の安心材料となる。
農家向けの注意喚起も具体的だ。気象局は、(1)果樹の補強(突風による倒木・落果防止)、(2)農産物の被害防止対策、(3)家畜の管理(雷雨時の屋内移動)、(4)気温変化期の健康管理、を呼びかけている。タイの農業は天候依存度が高く、5月の不安定天候は1年の収穫を左右する重要時期だ。
タイ在住の日本人駐在員家族にとっては、(1)今日のバンコク市内通勤・通学での雨具携帯、(2)スクンビット・ラチャダピセック等の冠水リスク区域回避、(3)地方への週末旅行は45県警報リストの確認、(4)プーケット・サムイなど南部観光は雷雨予報チェック、(5)車のワイパー・タイヤ溝の確認、などが実践的な対策となる。気象局公式アプリ・ウェブサイトでのリアルタイム情報確認が、5月の雨季入り前後の安全行動の基本となる。