タイ随一の滝の観光地として知られるカンチャナブリ県のエラワン国立公園が、4月21日13時から一時閉鎖されることが決まった。山火事とPM2.5の悪化が同時に進行し、観光客・職員の健康被害リスクが許容できない水準に達したため、公園長ピパット・チムプリー氏が国立公園法第20条・第25条に基づく閉鎖を発令した。
決定の決め手となったのは、PM2.5の24時間平均が42.9μg/m³まで上昇したことである。タイ当局の「安全基準」を超え、長時間の屋外活動が健康に有害なレベルに達した。加えて山火事で園内の一部区域が直接的な被害を受けており、消火・巡視活動を優先するためにも、観光業務の一時停止は避けられない判断となった。
エラワン公園はバンコクから車で約3時間、7段に連なる石灰岩の滝で知られる観光名所で、日本人旅行者の人気ランキングでも常連の場所である。週末を中心に国内外の旅行者が押し寄せ、滝での水遊びや宿泊、トレッキングが売りだった。今回の閉鎖で、すでに予約を入れていた旅行者は日程変更または払い戻しの対応が必要になる。
閉鎖期間は具体的に定められておらず、大気汚染が基準内に戻り、山火事のリスクが解消され次第、順次再開される。公園は情報更新をFacebookページ「エラワン国立公園 Erawan」で発信しており、訪問予定者はこまめなチェックが必要だ。カンチャナブリ県も広報を合同で行っている。
タイ西部・カンチャナブリは、エラワン公園のほか、7滝が連なる景観やサイヨーク滝、ピタム洞窟、死の鉄道など観光資源が集中する地域である。ただし4月は乾季から雨期への移行期にあたり、山火事と煙霧の発生リスクが毎年高まる。今年は全国的な夏嵐警報と合わせて、旅行計画の見直しが例年以上に必要な局面に入っている。
在タイ日本人にとっても、ゴールデンウィークの日程でエラワン訪問を計画していた家族は再検討を迫られる。カンチャナブリ市内のコラム列車・泰緬鉄道・戦争博物館・Jeath博物館などは引き続き開館しており、屋内中心の観光ルートに組み替えるのが現実的な対応だ。PM2.5マスクと水分補給を用意したうえで、現地滞在を短めに計画するのが無難となる。