タイ運輸省のシリポン・アンサクン・キアット副大臣が4月27日、電車運賃「終日40バーツ均一」方式の拡張に向け、9月に公聴会を実施し、2027年1月に最終結論を出す方針を打ち出した。同日、鉄道輸送局(ขร.)を訪問して政策方針を示し、エネルギー価格高騰下での生活費負担軽減を主軸に据えた。
すでに一部路線で運用されている「終日40バーツ定額」を、本格的な全国制度として拡張する方向。BTS、MRT、エアポートレールリンクなど都市部の電車を、距離に関わらず40バーツで使える設計案で、持続可能なゾーン分割運賃方式の研究も並行する。エネルギー価格に連動して運賃が適正に保たれる仕組みも整える。
2568年(2025年)の鉄道輸送法施行を受けて、ขร.が規制機関として政策を執行する。副大臣は「短期間で具体的な成果を出すこと」を要請。公聴会は9月予定で、2027年1月までに最終的な制度設計をまとめる。エネルギー高騰で運送事業者が圧迫されている事情も汲み、運送業者支援策も並行して進め、最終運賃への転嫁を抑える方針だ。
バンコクのBTS・MRTは現在、距離別運賃で17-50バーツ程度(平均30-40バーツ前後)。「終日40バーツ均一」が本格適用されれば、長距離移動者にとっては明らかにお得になり、短距離移動者には現行と変わらないか若干高くなる可能性もある。サートーン、シーロム、スクンビット、ラチャダーといった駐在員集積エリアからの通勤・観光がさらに使いやすくなる。
今回の40B均一は、電気代の400U超で5B/U改定、コンラクン Plus 4,000B配布など、4月末に集中したタイ政府の生活防衛施策の一環として位置付けられる。中東紛争由来の燃料高騰が物流・交通・電力すべてを押し上げる中、運賃を定額化してインフレ感を抑え込む狙いがある。
副大臣は4つの政策を打ち出し、運賃軽減と安全性向上のほかに、レール基幹網としての全国接続強化なども視野に置く。9月の公聴会では、運賃水準・対象路線・運送業者補助の組み合わせが論点になる見込み。最終決定は2027年1月で、施行は同年中の見通し。駐在員生活でも「通勤コストが定額化される」展開は、長期予算の読み方を変えうる。