タイ政府が、2030年の国際LGBTQ+イベント「ワールドプライド」の開催地としてバンコクが正式候補に入り、第1次選考を通過したと発表した。タイ社会開発人間安全保障省のニコン大臣(通称ポップ)が4月23日、バンコクプライドの運営チームと会合した際に明らかにした。アジア地域の都市が最終選考プロセスに進むのはこれが初めてという。
ワールドプライドは、プライド運営団体の国際統括組織「インターフライド」が主管する世界規模のプライドイベントで、これまで欧米とオセアニアの都市でしか開催されていない。タイが国家レベルでアジア初の候補として浮上したことは、国際的なLGBTQ+文化発信の中心がアジアにも広がる転機になる可能性がある。
ポップ大臣の作業チームを統括するエナクチャイ・ルアンラッタナコン氏はSNSで「歴史的な一歩だ。バンコクが公式な立候補プロセスで第1ラウンドを通過したことは、タイが国際的な舞台で多様性と平等の価値観を掲げられる準備ができていることを示している」と述べた。
政府はこの国際イベントを単なる祭典ではなく、性的マイノリティの権利と社会的多様性を公式に打ち出す機会として位置付けている。大臣側は「多様性を尊重し、誰一人取り残さない社会を民間と連携して構築する」と意欲を示した。観光・経済面でも、開催が実現すれば世界各地から来場する旅行者による消費増加が見込まれる。
タイは2025年に同性婚合法化を果たしたことで、LGBTQ+分野での先進国化を急速に進めてきた経緯がある。バンコクは既にアジア有数のLGBTQ+フレンドリー都市として知られ、プライドパレードも大規模化している。ワールドプライドが実現すれば、アジア初の世界的プライド拠点として観光・文化・国際ビジネスの両面で存在感を高めることになる。
最終的な開催地は今後の審査ラウンドを経て決定する。現時点でバンコク以外に何都市が残っているかは公表されていないが、タイ側は市民社会と官民連携でプレゼンテーションを強化していく方針を示した。