タイ副農業協同組合相ピヤラチャッチャイ・ティヤパイラッ氏(通称ホーム)は4月23日、タイの主要輸出品ドリアンの収穫ピークを狙って未熟果の出荷を抑え込むための取締り結果を公表した。4月6日から19日までに760カ所のパッキング施設を一斉検査し、21カ所で未熟ドリアンを発見、即時販売停止を命じた。再犯業者は1カ所、輸出ライセンスを停止する処分を下した。
タイ産ドリアンは年間輸出額1,300億バーツ規模で、数十万農家の生計を支える主要作物。主な輸出先は中国で、中国市場のタイ産への信頼は長年積み上げてきた品質が基盤となっている。未熟果(澱粉含有率が基準に達しない果実)が市場に出回ると業界全体の評判を損ない、真面目な農家が割を食うとホーム副相は強調した。
検査対象期間の4月6日から19日は、代表品種「モーントン(枕の意)」と「カーンヤオ(長柄)」の収穫最盛期にあたる。価格が高騰する時期で出荷圧力が最大となり、品質管理上最もリスクの高い局面とされる。タイ農産物・食品基準局(ACFS)が農業科学局と合同で特別チームを編成し、対象エリアをチャンタブリー県とラヨーン県に絞って立入検査を行った。
検査内容は、パッキング施設の営業許可証と標準認証(GAP、GMP等)の有無、作業手順、果実内部の澱粉含有率のサンプル測定が中心。タイの輸出基準では澱粉率が所定ラインを満たさないと出荷できない決まりで、基準を下回る果実は未熟品として扱われる。
結果として、760カ所のうち21カ所で未熟ドリアンが見つかり、選別・販売停止を即時命令。過去にも違反歴がある業者1カ所には輸出ライセンスの停止処分を科し、「1キロも輸出させない」との厳格な姿勢を示した。正規ルールを守っているパッキング施設には引き続き政府が全面支援すると明言している。
一般消費者や業界関係者向けには、不審なパッキング業者を目撃した場合の通報ホットラインとして電話098-367-2111、LINE ID「acfs2111」を案内。政府主導での品質維持キャンペーンが収穫シーズン中も継続される。
タイのドリアン輸出を巡っては、中国税関が数年来未熟果・カドミウム残留・二酸化硫黄混入などの問題を厳しく取り締まっており、タイ側の一斉検査は中国市場での競争力維持のためにも欠かせない動きとなる。同じ時期にマレーシアやベトナムが中国向け輸出を伸ばしていることもあり、タイの農業相サイドは産地ブランディングに本腰を入れている。