バンコクの都市鉄道(BTSやMRTなど)の運賃を、1回あたり17〜45バーツ(約83〜220円)に統一する新しい料金体系が動き出す。運輸省がまとめたもので、近く閣議に諮る方針だ。路線ごとにバラバラだった運賃を一本化し、乗り換えのたびに加算される負担を抑える狙いがある。実現すれば、在住者や観光客の足にも大きく影響する。
路線をまたいでも「17〜45バーツ」
タイの運輸省筋によると、新しい料金体系は1回の乗車を17〜45バーツの範囲に収めるもの。バンコクの都市鉄道はこれまで、運営会社や路線ごとに運賃が分かれ、乗り換えると初乗りが重なって割高になりやすかった。これを「共通切符」の仕組みで一本化し、利用者の負担を軽くする。
運輸省は、この料金体系を始めるために、各路線の運営権をタイ高速度交通公社(MRTA)に一元化する構想を進めている。ばらばらの事業者をまとめることで、全体を一つの仕組みとして運賃を設計しやすくなる。
減収補填に年間40〜50億バーツ
運賃を引き下げる分、民間の運営事業者は収入が減る。これを補うため、政府は年間でおよそ40億〜50億バーツ(約200億〜240億円)の財政負担を見込んでいるという。補填額は報道により幅がある。
一方で、運賃が下がれば利用者は増える。運輸省は、1日あたり150万人分の利用増を見込んでいる。値下げによる減収を、利用者増や渋滞緩和などの効果でどこまで埋められるかが焦点になる。
2027年の本格実施を目指す
今回の料金体系は、政府が進めてきた鉄道運賃の引き下げ策の流れに沿うものだ。タイでは都市鉄道の運賃が「給料に比べて高い」と長く指摘されてきた。一元管理と共通切符が整えば、2027年の本格実施が視野に入る。
バンコクで暮らす人や訪れる人にとって、日々の移動費が下がるかどうかは生活に直結する。今後の閣議での判断と、制度の詳しい中身が注目される。