カンチャナブリー県サンクラブリー郡を流れるランティー川の中から、第二次世界大戦中に建設された泰緬鉄道(通称「死の鉄道」)の遺構が姿を現した。ワチラロンコン・ダムの補修に伴う放水で水位が大幅に低下したことが原因で、1984年のダム完成以来42年ぶりの出来事となる。
発見のきっかけは、地元の観光情報を発信するFacebookページ「ファームオン・サンクラブリー」の投稿だった。運営者のキッティさん(47歳)が仲間とともにランティー橋付近からサンクラブリー三差路まで約8キロメートルを踏査し、写真と動画を公開したところ、閲覧数と「いいね」が合わせて100万回を超える反響を呼んだ。
現地調査では、かつての線路跡が幅約4メートルの砂利道として残っているのが確認された。さらに川の中央部からは約10メートル四方のコンクリート製の水槽構造物が出現し、地元住民によると、かつて蒸気機関車に給水するための設備として使われていたものだという。
泰緬鉄道は1942年から1943年にかけて旧日本軍が連合国の捕虜やアジア各地の労働者を動員して建設した全長約415キロメートルの鉄路である。過酷な労働環境から多数の犠牲者を出し、その歴史は映画「戦場にかける橋」でも描かれた。同県にはクウェー川鉄橋や連合軍墓地など関連する史跡が多く、毎年多くの観光客が訪れている。
今回の遺構が見られる期間は2026年4月から6月ごろまでと見込まれており、ダムへの貯水が再開されれば再び水没する。サンクラブリーはバンコクから車で約4時間の距離にあり、ソンクラーン連休の穴場スポットとしても注目を集めそうだ。歴史的な遺構を自分の目で確かめたい人にとっては、限られた好機といえるだろう。
